第351話 誰が買うんだ。

 疲れていた…

 バイトが過酷だ。

「そうだ…炭水化物を摂取しよう」

 閉店間際のスーパー、焼きそばとか、たこ焼きとか、お好み焼きとか…お祭り焼き物3点セット的なジャンクフードが欲しかった。

 スーパーは優秀であった。

 無駄な物は置かない。

 何もねェ…

 値引かれたおにぎりしかねぇ。


 見切りコーナーに残されたのは鮭弁当1個…

 冷えた焼き鮭は不味い。

 隣に置いてあった弁当に手を伸ばした。

 何弁当だか見なかったが白かった…それ以上は歩くことすら嫌だった。


 家に帰って…

 食おうとしたら…

 まさかの『白飯』お値段半額79円


(白メシ…ご飯だけなのか?)

 ご飯だけなのだ。

 誰の需要があるんだ…

 そもそも弁当の隣に並べるか?

 なるほど余っていたわけだ…

 深夜に僕は白い冷めたご飯にソースをかけて食べたのである。


 翌朝、バイト先のホテルの窓から掃除しながら海水浴客を眺めて思った。

「サメの群れとかくればいい…」

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