第144話 そこはオマエが

 部屋の隅に赤いスカートの女の子、小学生くらいだろう。

 うつむき加減で、ずっと僕の数歩後ろをついてくる。


 玄関で靴を履いていると、階段から僕の方を見ている。

 ドアを開けると、僕のすぐ後ろに立っている。

 ついてくる気だろうか…外まで。


 車に乗ろうとすると、助手席に座っている。

 早く出せと僕の腕をグイグイと引っ張る。

 早く出せと僕の足をバシバシと叩く。


 視界の端に青い傘を差している女の子、小学生くらいだろう。

 赤いスカートの女の子は酷く怯えている。

 僕の足にしがみつく。

 ひんやりとした感覚が気持ち悪い。

 青い傘の女の子はずっとついてくる。


 アクセルを踏みたいのだが、足が空を切る…。

 助手席から青い傘の女の子が車内を覗く。


 そこで目が覚めた…。

 右足に残る、嫌な感覚。

「化け物が…化け物を怖がるなよ…そこはオマエがなんとかしろ!!」


 そんな夢をみた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る