第86話 自分でこぼしたくせに!!

私の家には公式に猫が2匹同居している。

非公式に8匹は確認とれている。


『チョビ』と命名されたキジトラの猫の話になる。

『チョビ』は、小さなときから活発なお子さんだった。

10歳を超えた今でも、「僕3歳」のまんまである。


部屋に芳香剤が置いてある。

梅雨という時期に合わせて、アロマの香りを変えるわけだが…。

『チョビ』さんの好みではなかったらしい。


普通は、部屋に入らなくなるわけだが…『チョビ』さんは、そういうタイプではない。

排除するタイプなのだ。

瓶ごと前足で床に叩き落とし、ぶちまけたのだ。


過剰なアロマの香りが充満した部屋で、『チョビ』さんは吐いた…。

生臭さがアロマに混ざり、スメルハラスメントである。


早く掃除しろと言わんばかりに、鳴きながら、彼は前足でカキカキしてしまった…。

自分の肉球にベットリとアロマが染みついて、不機嫌MAX。

腹いせに、掃除している私の手を思いっきり引っ掻いて、フンッと出て行った。


「オマエのせいだからね!!」

ふて腐れて、ぐったりしている『チョビ』さんの前足を風呂で洗う。

それも気に入らないのか、今度は噛みついてきた。

「だから!! オマエのせいだからね!!」


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