第77話 ラーメン屋にて

ラーメン屋。

ラーメンとライスを頼んだ。

「お待たせしました。先にライスでございます」

僕の前にライス(小)が運ばれる。

「なるほど…ということはラーメンは近い」

そう思った僕は、読みかけの雑誌を返しに席を立った…その時である。


「ありがとうございました」

威勢のいいお礼が、店内に響き渡る…。

それに呼応するように、店員全員が、「ありがとうございました」を連呼してくる。


「えー?」


ライス(小)しか届いてないのに…しかも、それすら食べてないのに…。

まさかの「ありがとうございました」って…。


あまつさえ、「またお越しください」って…どうゆうこと?


食券制で無ければ、そのまま帰るよ僕は…。

遠慮がちに席に戻る…。

静まる店内…。


「お待たせしました…塩ラーメン大盛りでございます…」

若干、申し訳なさそうに、若い女性の店員が僕の前にラーメンを運ぶ。


言えばいいってもんじゃないんだよ!


元気に言えば、許されると思うなよ!

そういうのが一番嫌いです!


食い終わって、本日2度目の「ありがとうございました」は最初より若干、小さく感じました。

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