ダブルクロス・リプレイ『ミラクル☆ツインズ』

山口せりな

第1話「双子と謎のフォーチュンテラー」

PREPLAY

◆Preplay 00◆ それは思いつきから始まった

「うーん、どうしたものかなぁ……」

 2010年7月某日。東京都内某所にてぼやく人がひとり。今回のGM・山口せりなその人である。


山口やまぐちせりな

 同人サークル「Croix+Kreuzクロワクロイツ」の片割れ。

 ダブルクロスに傾倒して約6年、同人リプレイ書きになって約3年。理詰めを得意とするたぶん戦略家。攻撃の達成値&ダメージロールの出目が容赦ないと一部GMから恐れられている…らしい。弱点はホラーもの全般。特に血は見るのはともかく文字を見ることも単語として聞くのもダメ。その為未だにブラム=ストーカー持ちのPCを使った事がない(GMでは使った)。


 夏コミ合わせの原稿を終わらせ早くも冬コミの作戦を練りだしたまでは良かったのだが、何をやろうかと言うところで詰まってしまったのだ。


「以前咲名さんが個人誌でリプレイ書いてたし、こっちもソロで1本書くかな…? でもそれだったらシリーズにした方がいいし……」


 とはいえ同じようなシリーズを出しても面白くない。とりあえず条件を先に書き出してみた。


・「ダブルクロス the 3rd Editon(以下、『DX3』)」のリプレイ

・基本ステージ(2010年夏の時点でDX3は基本ステージのみ)

・『白銀の瞳』とは違うライト路線

・一話完結型で途中からでも入りやすいように


 ……で、これを満たすような企画というとなると……。


「そう簡単に思いついたら苦労はしないよな……(涙)『白銀の瞳』と違う路線なら思いっきり明るくして…むしろ萌えに走ってもいいのか(笑) 萌えなら女の子だよな……。でも単に女の子が主人公でもなぁ……」


 そこまでぼやいた時、あるものが眼に入った。


「そうだ! これだっ!」


 このネタなら今までとも違うシリーズになるし萌えも十分(笑)いいものができそうだ……(にやり)


 * * *


 それから数日後、スカイプでの打ち合わせの席上でのこと。

 メインの議題もある程度片付いたところで企画を持ちかけました。

 話し相手はCroiz+Kreuzの相方、咲名唯さん。


咲名唯さきな・ゆい

 山口せりなと同人サークル「Croix+Kreuz」を組む相方さん。公式リプレイ『闇に降る雪』でこの世界に引きずり込まれ、気がつけばサークル活動をしていたという…。サークルのイラスト担当。得意技は腹筋崩壊。笑すぎてプレイが止まるのはもはや日常茶飯事。


せりな:ねぇ咲名さん~。ちょっと相談があるんだけど。

咲名:え?

せりな:冬に新しいリプレイシリーズを立ち上げようかと思ってて、咲名さんにPLやって欲しいんだよね。

咲名:PLならいいけど……なにやるの?

せりな:んとね……


 咲名さんに概要を説明する。


せりな:で、咲名さんのPLは確定としてひとつ相談が。パートナーというか双子の姉か妹をやってくれる人が必要なんだよね。そこで誰かいい人いないかなと。


 すると、彼女は間髪いれずにある人物の名を挙げた。


咲名:それなら緋ノ兎ちゃんがいいかな…?

せりな:緋ノ兎ちゃんって、一時期咲名さんと生き別れの姉妹疑惑が湧いた子だよね(笑)

咲名:うん(笑)だって本当にいろいろ似てるんだもん!


緋ノ兎ひのと

 咲名さんが某コンベンションで知り合ったお嬢さん。よく笑う子で卓ではムードメーカーとなる事も多い。咲名さんとは本当によく似ているらしい……(笑)


せりな:なるほど。生き別れの姉妹(脳内)に姉妹……つーか双子をやってもらうのは楽しそうだ(にやり)

咲名:じゃあ聞いてみるね。

せりな:あ、ちょっと待って。双子は双子なんだけど設定がちょっと特殊で……(説明中)……なんだけど、大丈夫かな?

咲名:ん……それ、どっちがやってもいいの?

せりな:それはお任せします(笑)


 こうしてセッションのPLが決定、ハンドアウトの提示・キャラ作成などを経て――セッション当日がやってきました。

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