楽園

 碧の風が草原から崖へ走っていく

 潮風とぶつかって遊んでる

 それは何処か遠い島の話


 風に乗って聞こえてくるのはカラフルな鳥たちの歌

 木々は揺れて木陰は踊り

 見た事もない動物が眠ってる


 森の奥には滾々と湧きいずる泉

 一際大きい昆虫たちが集まって

 ガサガサザクザク賑やかに


 どんな病気も治す薬草があると言う

 この鬱蒼と茂った生命のカタマリの中に

 それはきっと余りに有り触れた姿で佇んでいる


 川の流れに従って

 何時か出口に辿り着く

 そこから世界へ広がっていく


 誰も居ないところ

 時間が止まったかのよう

 そこは鎖の中で完結している


 山の麓にはかつて栄えた残骸が転がっていた

 それは霞んで見えない明日の姿かも知れない

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