第6話修理の顔

大野修理治長


茶々の乳母の子であり茶々とは幼い頃からの

兄妹の様な関係であった。

典型的な近江顔。

切れ長の目に笑うと半月型の顔。


大きくなったら兄様と一緒になりとう


なりませぬ。身分が違いまする。


何度なく繰り返された言葉。


繰り返すほど想いは募る。


信長に攻められた小谷落城の際も

恐怖心から泣いていたなか

燃え盛る炎の中を盾になりながら

時に袖を燃やしながら小さな子供を守り

降伏の使者に随行した。


北ノ庄落城時も同じであった。


修理の頭にはどうすれば茶々様を助けられるか


それしかない。


秀吉には子種が無いらしかった。


正室北政所おねにも、岡山美人にも、時折浮気する他の女性にも。。。


修理は悩む。茶々様の御安泰の為には子がおらねばならぬ。


茶々は昔から修理が好きであった。

数々の落城、親の死、中でも母お市の死んだ

北ノ庄落城以来、身内を大事に思う心が

一層強くなり、抑えていた感情が爆発した。


鶴松が産まれた。

しかし儚い命となった。


もう我が子が死ぬのをみとうない。


なにをおっしゃいます。

茶々様の安泰の為、子はできまするぞ。


秀吉様は子ができにくい。

すぐには産まれぬ。


1年後身ごもった。

修理の顔は切れ長の目、笑うと半月型。

狐のようであった。


しかし、

修理の親は代々京都出身である。。





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