Summer

音葉

第1話

その日、アサガオのつるが健やかに伸び花を咲かそうとしている、そんな日、いや、そんな季節のこと。


夏独特の蒸し暑さのせいで、目が覚めた。

時計を見た。…えっ!遅刻だ…

私は、何も食べずに一目散に学校へ自転車を走らせた。仕方がない。


いつも通り、遅刻だ。いつものことだから慣れている。

「よう!凪。今日も遅刻か?こりねぇなw」

「うるさい。あんたには関係ないじゃん。」

こいつは幼馴染みの空。いつもからかってくる。ほんとにうざい。


いつものように空のからかいを受けると、いつも通り、うるさい。と返して席につく。窓側の前から5列目。ここが落ち着く。私のリラックススペースだ。窓の外からは部活をしている、サッカー部と野球部の声、小鳥の鳴いている声。他にもたくさんの音があふれている。私はこの席が好きだ。この日から動き出したんだ。いつも通りの日常を変えた、何かが。


これは、夏に起きた出来事。そして、私をかえた物語。

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