3-5
「いやぁ、誠に申し訳ない。毎度毎度遅刻で。」
「私も毎回ごめん。」
遅れて到着した二人は開口一番謝罪を口にする。
「許す。」
「ちなみに祥子も遅刻だから。」
なぜか許しを与え祥子にツッコミを入れる。私の大切な仕事である。
「まあ、大丈夫。どうせいつものことだと思ってるからお店には6時30分で予約入れてあるし。」
「さすが里。私たちのことわかってるね。」
「それは喜んでいいことなのか。馬鹿にされているだけなのか判断に困るけどなぁ。」
私が遅れられてもそれほど怒っていなかった理由はそれなのだ。集合時間は比較的早めに設定しているものの実際に開始する時間は店まで行く時間を考えてもかなり余裕になるようにしてある。
彼女たちと行動しない時でもそうであるが、その場合は開始時間も一緒に伝えることが多い。ただ、このグループで開始時間まで伝えてしまうとそのギリギリにしか来ない人が出てきそうなのでこうしている。
「今日はいつものお店?」
汐音が伝えてあるはずの情報を尋ねる。
「えっ、いつもの所とは違うって書いてなかった?前に一回行ったことはあるところだったと思うけど。」
ゆーみんはしっかり覚えているようだ。いや、しっかりと伝えたのだから場所くらい覚えておいてほしいものだけどね。まあ、幹事以外が店を知らないなんてことはどこに行ってもよくあることだ。
「まあ、そろそろ移動しようよ。」
私がそう言いださないといつまでこの場所で話しているかわからないようなメンバーだ。ここまでくると私は幹事なのか保護者なのかわからないレベルになってくる。
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