イカダ
旅をしていた。
旅をしているつもりだった。
大海原の上でひとりイカダに乗って漂っている。
自分で動こうとせず、
自分で動くこともできず、
ただ波にまかせてゆらゆらさまよう。
僕は旅に出かけたつもりだった。
でも、実際には流されているだけだった。
僕はどこに行きたかったんだっけ。
僕はどこに行くつもりだったんだっけ。
何もない空を見上げながら、
僕はひとり自問する。
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