3年B組、御堂先生!編

 ふん、今頃帰還か! まあ、御苦労だったな。ん? なになに……刹那セッツナちゃんもお疲れ様、だあ? 貴様っ、御堂刹那ミドウセツナ特務三佐とくむさんさと呼ばんか! もうとっくに消灯時間は過ぎているぞ、さっさと食堂で飯を食って、部屋に戻って寝ろ! いいか、パイロットたるもの休養も任務のうちだ。激戦の続くスパ◇ボ「」カクヨムで生き延びたかったら、身体をいたわることだな!

 ん? 私か? 私はこうして、艦内を見まわっている。

 原則、十時を過ぎたらサンダー・チャイルドもコスモフリートも消灯だ! 宿直の当番を残して、パイロットはすみやかに睡眠を取らねばならん。しかし……十代二十代の若者が多い現状、こうして見回りながら不届き者に注意して回っているところだ。例えば……この部屋っ、まだ寝てないな! おい貴様ら! 糞ガキども、さっさと寝ろぉ!


「ああ……凄い、素晴らしいよ歩駆アルク。なんて素敵なメカデザなんだ」

「な? なあ? いいだろ、アニメロボ大全2021! 世代セダイ、お前ならわかってくれると思ったぜ……巻末にはアニメ別ロボのサイズ表があるんだぞ」

「しゅごい……やっぱりロボ、さいっこぉ」


 ……ま、まあ、さっさと寝ろよ? いいか、間違っても無駄な体力と精力を使うなよ? ……そういえば東城世代トウジョウセダイは、格納庫ハンガーでもレヴァンテインやアーマー、ブレイやピージオンに目を輝かせていたな。ふむ……整備士としてもやっていけるかもしれん。特殊性癖あれども、将来有望な有能人材、と……メモだな。

 なんだ、貴様はまだいたのか。

 私は忙しいのだ、見ろ……消灯時間を過ぎてもあかりのついてる部屋がある。


「いや、だからさ……そこで俺は言ってやった訳よ、アサヒシナお前、そろそろアカリちゃんとの関係はっきりさせろよ、ってさ」

「まあまあ、千景チカゲ。それは二人の問題だからな……でも、いつ死ぬかもわからない任務が続いてるんだ。言えるうちに言って、伝えられる時に伝えた方がいいことは多いさ」

「おっと、語るね! 語るね旭にーさん! ま、飲め飲め、飲めって!」

「とっとっと、悪いねルーカス少尉。カーッ! こっちの世界も酒がうめぇ!」


 ……なにをやっている、貴様ら。な に を や っ て い る ! ……ん? なに、私か? ふん、しょうがない、一杯だけ付き合ってやる。おお、ビールだな! よく冷えている、悔しいが美味うまいとだけ言っておこう。さかなはなんだ、とりの唐揚げにサバの味噌煮、カツオのタタキにエビマヨ……けしからん、実にけしからん! ふぉんほにほんとに、はぐはぐ、ん、モガガ……ふぉまえらおまえらひゃやくねふぉはやくねろー!

 ふう、美味かった……これだから深夜の飯テロは。

 ん、待て! ちょっと待て……あの部屋は、神塚美央カミヅカミオだな、奴めさてはまた! またしても! 不届きな、不潔なっ!


「ほぅら、千雪チユキ……もう限界じゃない? ふふ」

「……これ以上は、美央さん。で、でも」

「ほら、ゆっくりと……抜けちゃうわよ?」

「それは! 美央さんが……ひうっ! っはあ、ん……」


 貴様ら、なにをやってるかーっ! ……ん、なんだ? シファナにエリー、シルバーもいるのか。なにをしてる……え? ジェンガ? ゲーム……そ、そうか。崩れると負け? 美央がバツグンに上手い? 知るかっ! さっさと寝ろ! パジャマパーティ、解散! 解散だ!

 ふう……子守こもりは疲れる。

 ん? なんだ、貴様もまだいたのか。飯と風呂とを済ませて、寝ろ! さっさと寝ないと、私がベッドの中に押し込んで、意識が落ちるまで……あ、いや、それはさすがに不味まずいな。貴様も地球の平和のためにスパ◇ボ「」を戦ってくれてるのだ、私は感謝している。では、明日に備えてゆっくり休め! また会おう!

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