色とりどり

藍色の空に月が滲んで見える。

銀色の雲がその前を通り過ぎる。


今夜は薄紅色の夢を見ないかい?

白い船を甘いソーダ水に浮かべて、

黒い海を渡る夢を見ないかい?


片目の海賊が君の肌に色めき立っても、

僕が青い魔法の杖で消してあげよう。

巨大な竜が君を連れ去ろうとしても、

僕が真っ赤な宝石の輝く剣で追い払ってあげよう。


トパーズ色の風がふたりを包んで、

月は高く空のてっぺんまであがるんだ。

だから、今夜は薄紅色の夢を見ないかい?


白い船を甘いソーダ水に浮かべて、

黒い海を渡る夢を見ないかい?


金色の朝がやって来るまで、僕は君の傍で歌うよ。

飴色の甘く切ない子守歌を

青白い弦楽器を爪弾きながら春風のように歌うよ。

君の心のすきま風もどんなに荒れ狂う嵐も

この歌に酔いしれて、君の寝顔に口笛を吹いて立ち去るさ。

凍てつく吹雪の夜も真夏の痛いくらいの日差しも

この歌と君の笑顔に敬意を表してくれれば

僕達にとって、こんなに素敵な事はないだろう?


だから、今夜は薄紅色の夢を見ないかい?

白い船を甘いソーダ水に浮かべて、

黒い海を渡る夢を見ないかい?


金色の朝がやって来るまで、僕は君の傍で歌うよ。

飴色の甘く切ない子守歌を

青白い弦楽器を爪弾きながら春風のように歌うよ。

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