侘助

太閤の愛でた花なれど

君の名の儚く悲しきは

その豪奢の内々に

まよい土重くのしかかり

その名に心をば安め

時の過ぎ去るをじっと待つ

自らの姿を見立てした

堪え難きその心情か


関白既に朽ちぬれど

君の幾年も花咲きぬ

誰が主人を待ち望み

ただ、侘助の木立に寄り添わん


今、年月が過ぎ去りて

私と花と太閤と

一筋重ねたその道行きの


遠くは首を垂れ進む


花をば旅の供として

花をば旅の供として

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