第8話 マウンティングってやつ 2

 問題はもうひとつある。叩くことだけではない。

 うちの子を叩いた後、相手の子が謝りには来た。(なんなら子供に直接謝罪があったのはこれが始めて)でも、うちの子は既に何度もやられているからカンカンに怒ってから、謝罪を突っぱねた。幼児でも怒るに決まってる。そしたら、突っぱねたことに対して向こうの親が逆ギレした。なんじゃそりゃ。


 せっかく子供が謝っても、逆ギレしてたら意味ないね。わたしも子供も謝られたとは思ってない。そうしていちいち正当化してると、その子は謝る意味が分からないのでは?混乱させてるんじゃないかな。今の所、反面教師にはなってない模様。


 そういうわけで、わたしは逆ギレした事と、殴るのを止めないことについて申し入れしたわけです。

 ま、話したところで何を言っても筋の通らない言い訳か、この件に関して全く関係のないわたしやうちの子への悪口でしか反論してこない。もちろんまともな話し合いになんかなる訳がない。

 向こうに非があるんだから、そとそもまともに反論なんてできるわけないんですよ。なのに無理やり反論するから、余計ややこしくなる。堂々巡りにもなる。

 論破されるのも謝るのも嫌なら、始めから謝らないといけないような事をしなけりゃいい。


 まともに謝らないのに、謝れば許されると思い込んでる。許されれば、またやっていいと思ってる。だから悪いと思っていない。だから止めない。そのくせ殴る前提でまだ付き合いを続けたい。と、いうのが向こうの主張。こっちには付き合い続けることに何のメリットも意味もないねんけど。


 これ以上話しても時間の無駄だと思った。散々引っ掻き回しておいて、なんの話をしてるか分からなくなるらしい。「話のゴールが分からない」と言うので、三回ほど「だから今それを話してるんでしょ」と軌道修正しないといけなかった。

 取り敢えず終わらせるために、変な事言われてもいちいち指摘せずに放っといた。後日フェードアウトするつもりだった。でも、まだ続きがあった。


「もしまた殴って許されないなら、もう関わるのをやめましょうね」だと。さらに「高梨の子次第」とも。逆でしょ。むしろギャグでしょ。わたしが「また殴るようならもう会いませんよ。そちら次第です」と言うならともかく、それはおかしい。しかもやっぱり殴る前提になってる。


 さらに長文が来た。

 内容は全てにおいて、本題である「殴るのをどうにかしてくれ」と「謝罪を突っぱねた事に子供相手に逆ギレした事」から大きく逸脱している。

 内容は、本件と関係ないわたしやうちの子への悪口、批判、それに比べて自分の子の素晴らしさ、育てている自分の素晴らしさ、自分の育児論の素晴らしさ、根拠の分からない謎の育児アドバイスで構成。

 さらに、自分の意見として書いている筈なのに、文章中での矛盾があったり、する理由のない事への謎の要求、事実でない事をねじ曲げてあたかも事実であるかのように書いてあったり、とにかく辻褄が合わない。そして、文末には「自分のレベルに合わせてくれるならこれからも付き合いを続けてもいいよ」と書いてあるわけです。

 つまり、マウントの超大作ですね。自分凄いアピールと悪意と、こちらの言った事も自分の立場も何一つ理解していないことくらいしか伝わらない。むしろ面白かったな。

 あんなメチャクチャな文章を大真面目に送ってこれるだけで、十分付き合いたくないわ。むしろギャグやろ。全く笑われへんけどな。たぶん、嫌がらせの証明を自ら送って来た事にも気づいてなさそう。


 わたしが付き合いを続ける理由もメリットも全くない。むしろ、何かと気に掛けて世話をしていたのはわたし。わたしも色んな方にお世話になって来たし、ご恩返しのつもりだったからそれは別にいい。ただ、仇で返しても平然としていられるんやな、という事にまた引いた次第です。


 簡潔かつ丁重に全面拒否しておいたわけですが、こんな事ばっかりよく思いつくわね。

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