第7話「ミラージュ」

どこまでも高く蒼い空と入道雲。


「ねえ、似合ってる?」


白いワンピースの君は僕に言った。

都会のビル群の公園で、僕は君の首にかけたのは……


「ありがとう」


シロツメ草のネックレスだったね。

誰もいない木立と、木漏れ日の中。


「キスしよっか?」


一瞬、重なった唇に、そのあと恥ずかしくて、お互いに顔が見れなかった。でも手だけはつないでいた。

夕陽の差し込む喫茶店のテラスで、2本のストローを一つのグラスに差し、二人で飲んだソーダー水。


「あっ!」


風に飛ばされた麦わら帽子。湖畔には流木があって、その流木に座ってた時に飛ばされてしまった。


「お気に入りだったのに~」


と、君はとても残念そうだった。

君と過ごした日々は、僕にとってかけがえのないものへとなっていった。だから僕は、いつか君と……


「ここで終わっています。隊長、我々と同じですね」


探索隊が発見したのは、この星にかつていた知的生命体の痕跡だった。


「ああ、我々と同じように思い出を記録する機械があったな」


「しかし、あと少しで出会えそうなんですが、難しいですね!まるで蜃気楼ですよ」


「だが、この広い宇宙のどこかには知的生命体が現存するはずだ!必ず遭遇するぞ」


探索隊は次の惑星を目指して旅立ったのだった。


おしまい

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