歌う小鳥

歌う小鳥


 あたし、小鳥。好きな声で鳴くの。明るい時は明るい歌。雨が降る日は雨の歌を。

 あたしが生まれた時に、多分どこかの神さまが決めたの。あたしが歌うようにって。

 その神さまは今あたしの胸の中で鳴いてる。

 あたしの羽と嘴にかけて、神さまがさみしくないように、面白おかしく生きるの。

 だからあなたも楽しく生きて。あたしのことは忘れていいから。酒もタバコも夜遊びも、してもしなくっても構わない。小鳥が、鳴いてたことも忘れていい。

 でもこの空を明けさせたのは、あたしの歌。あたしたちの願い。そぼ降る雨も、晴れた日も、全部あたしたち小鳥の願いのはて。

 あなたはあなたの誇りをかけて、あなたの歌を口ずさむ。

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