当たり前の死
@kaguro
プロローグ
「これで使命を果たすことができるな」
俺は自分の主に向けて声をかける。
主の使命、それは簡単に言ってしまえば人類を滅ぼす事。
それを叶える為に、目の前にある
目の前にある力場は、いわゆる世界の中心。
この力場を手に入れれば、過去を変えることも人を蘇らせることもできる。
「世界の
それが目の前の力場の本来の名前。
この力場を目指し、数多の人間が散っていった。
その人間の躯を超えて、主と俺はたどり着いた。
後はこの力場を使い、人類を消すだけ。
そうすればこの世界はより良い世界へ進んでいく。
「今まで悪かったね」
主は疲れたように微笑んでいた。
俺はそんなことはないと首を振ったが同時に力場へと俺は突き飛ばされていた。
力場に飲み込まれながら俺は戸惑ったように主を見た。
「ずっとこうするつもりだった、世界を再生し君を神にするために。
優しい君なら、人類が存在しても破滅しない世界を作ってくれるはずだから。
それに・・・・君には死んでほしくないから、神になれば永遠に生きれるから。
もう二度と君が死ぬことはなくなるから」
悲しそうに笑いながら主は・・・俺が愛した人は言った。
世界の再生は方法のひとつとして聞かされていた。
力場に新たな意志を与えることにより、今まで存在していた世界を消し。
新たな意志の基、全く新しい世界が作られると。
でも俺かあの人が消えてしまうからやらないと言ったではないか。
生きるのならばあの人の傍にいたい、それ以外は何もいらない。
神になりたかったわけじゃない、永遠の命がほしいわけじゃない。
そう叫びたいのに消えつつある身体ではもう叫ぶことはできなかった。
「前世で守れなくてごめんね、幸せに生きて俺の女神様」
その言葉が聞こえたと同時に俺の意識は途絶えた。
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