紺碧の空のメサイア
大隈 葉月
第1話 始まり
ー1945年8月15日ー
悪夢の戦争は1つのラジオ放送とともに終わった。
そこには階級の差など存在しなかった。
皆がそれを聞いて絶望し、あるいは泣き崩れた。
そんな中に、メリケンに一矢報いようとする男達が22人と1人・・・。
その1人の名は「宇垣 纏」。その冷血さから「鉄仮面」と渾名されたその男は、
大日本帝国海軍中将であった。
これは平和な時代に起きた戦争の、彼らの英雄譚であるー。
「我、必中突入ス」 最後の訣別電を打ち終えた。あとはこの鉄の塊、「彗星」で敵に体当りするだけだ。
高高度から急降下し、風を切り紺碧の空を貫いて敵に突っ込む。
敵の対空砲火がハリネズミのように空へ放たれていく。
・・・とその時、エンジンが被弾した。
バランスが崩れ、機体はもう航空機の役割を果たせなくなった。
アメ公の鉄の塊へぶつかる衝撃とともに熱が体中に伝わってくる。
熱い・・・アツい・・・あつい・・・。
薄れゆく意識とともに視界も真っ黒に、漆黒に塗り潰されて・・・。
目の前の世界は、完全にブラックアウトしてしまった。
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