第三夜 魔法の国から来た少女
「なぁ魔獣?」
「なんですかな?」
一昨日ボクに召喚されて以来、ボクの部屋に居座っている魔獣が答えた。姿形は、裏原系黒ゴスロリ少女の様でなかなか可愛い。まぁ見た目は、この世界に合わせているらしいけど・・・嫌いじゃない。
「そういえばおまえさ、名前なんてんだっけ?」
実はまだ名前を訊いてなかった。
「えーーとあの・・・そうだアリスです!魔法の国のアリスですのん☆」
魔獣が子供にでも判るような嘘をつく。
「なんだそのあからさまな偽名は!?しかも今考えたよね!?」
「だって悪魔全般、誰にも真名を知られちゃいけないんですもん★」
「はぁ?何で?」
「名前まで完全に掌握されると、一生ご主人たまに仕えなきゃならない決まりなのですぅ★」
そういえば、そんなことを魔導書か何かで読んだことがある。それとも小説だったっけ?
「それは非常に困るな。迷惑極まりない」
ボクはあからさまに迷惑顔で答えた。
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