第50話 ▲虹色の暁・アウローラ
「私。ずっと憧れていた。彼らの生き方に。でも過去、前世の記憶に引きずられながら、いつも敵役ばかり演じていた。もう悪役なんかごめんだ。本当に、円卓の一員になりたい。ガイアを援けたい。プレベール、あなたを……。エゴのためじゃなく、私、あなたの役に立ちたいって心から思ってる」
マリスは今、純粋な気持ちでそう言った。
アトランティスにおいて遂に円卓、そしてアマネセル姫はマリスを受け入れてくれた。ラーの娘・マアトと一体化し過去を思い出したアマネセル姫は、最初からマリス・ヴェスタに対して何も言わずに受け入れた。
「マリス。少しずつだけど、あなたの力は回復しつつある。ずっと闇の子だったあなたは、長い転生の過程で光エネルギーが増加している。アマネセルは、過去の記憶を紐解いた。私の記憶をね。だから姫はあなた自身の善の炎が少しずつ大きくなっている事実を、長い転生を通して確信しつつあった。そして今や光と闇は逆転し、マリスと云う黒い石は明るい灰色になっている。やがて完全な白い石になる事ができる。光の子に。その時に、きっと世界が変わるって信じて」
そうなのだ。姫はマリスの中の「善の火種」を信じてくれた。だからこそ。アルコン隊長に誘われて初めて円卓に入った時、スパイだとすぐ分かったにも関わらずに姫は受け入れてくれた。正体に気付いていない訳がない。うれしかった……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます