終了フェイズ
第22話 終了フェイズ これからよろしくお願いしますね
GM:それでは、終了フェイズ。エピローグです。
●終了フェイズ エピローグ
GM(ペルセウス):「まさか、怪物は二体いたとはな……」とペルセウスは呟く。見事怪物を打ち倒したあなた達は、
天宮:くっそー(笑)!
緋色:こいつ何も知らないじゃん! 怪物の数のことも、助っ人のことも知らないし!
GM(ペルセウス):「君たちが向かったあの鍾乳洞は、二体の怪物が作り出した二つの絶界が重なりあってできたものだったらしい。こちらの調査不足で、君たちを危険な目に遭わせてしまった。申し訳ない」そう言ってペルセウスは、あなた達に向かって深々と頭を下げる。
呪:ああ、だから導入で「
GM:ペルセウスは顔を上げると、「だが、よくやってくれた」と言ってあなた達を労います。
天宮:奈々ちゃんは「まったく、仕方ないなぁ」とため息をつく。
供我:供我はあんまり聞いてない。早く終わらないかなって思って待ってる。
GM:(笑)。「ああ、そうだ。君たちが洞窟で発見した機械の神子のことだが」とペルセウスは思い出したかのように続けます。
天宮:お?
GM(ペルセウス)「未来に帰る方法がないようなので、しばらく神殿で預かることにした。さすがはメイド型ロボだけあって、家事については万能だから、重宝しているよ」そう言ったペルセウスの背後から、ハルムがひょこっと顔を出す。
天宮:おお!
GM(ハルム):「タイムマシンが時空移動の衝撃で壊れてしまったみたいなんです。なので、直す方法がわかるまでしばらくこちらにお世話になることになりました」
緋色:時空移動で物壊れすぎじゃない(笑)? 記憶装置も飛んでってたし。
呪:まぁ、それだけ衝撃が大きいんでしょ。
GM(ハルム):「これからよろしくお願いしますね、皆さん!」そう言うと、ハルムはにこりと微笑んで、頭を下げた。
天宮:ハルムちゃん可愛い!
緋色:「よろしくな!」
呪:「よろしくー」
GM:……といったところで、シナリオ「アマデウス・エクス・マキナ」終了です! お疲れ様でしたー!
一同:お疲れ様でしたー!
天宮:ちょっと、GM! GM!
シナリオ終了を宣言したその直後、天宮から声がかかった。もちろん何のことかは見当がついている。
GM:でもわかったでしょう?『親神の発言の意図』は。
天宮:わかったけど……。どうやったら冒険フェイズ中に気づけたの?
GM:……(無言で「NPC エプロンドレスの少女」の予言カードを渡す)。
天宮:へ?
予言:NPC エプロンドレスの少女
【真実】あなたは未来の光景を幻視した。エプロンドレスの少女は、計器を調整し座標を合わせ、タイムマシンを起動した。時空移動が始まる。少女のいた未来から現在に至るまでのビジョンが次々と浮かんでは消えていく。その時だ。時空の狭間に、青い膿を滴らせる犬のような怪物の姿をあなたは目撃してしまう。そして、怪物の方もあなたを見た!そこで幻視は終わった。
この【真実】が2サイクル以内に公開されると、マスターシーン「ティンダロスの猟犬」が発生する。
【トリガー】PCの誰かがこの【真実】を見たとき、自動的に公開される。
天宮:〜〜〜っ! そりゃそうだ! (緋色を見ながら)
緋色:やめろ! 俺を見るな!
GM:(笑)。っていうか、天宮さんはもう少しシナリオを信用してください! 普通にやってればクリアできるように作ってありますから! 天井の
天宮:そうかー……。うーむ(笑)。
呪:(「エプロンドレスの少女」の【真実】を見て)このマスターシーン「ティンダロスの猟犬」っていうのはどんなシーン?
GM:それは、「エプロンドレスの少女」の予言カードの【真実】を見たPCが、幻視で目があったティンダロスの猟犬に目をつけられて、天井の氷柱石から舌での襲撃を受ける、というシーンです。さっきのセッションで決戦フェイズの戦闘前にやったのが、冒険フェイズ中に来るような感じですね。ティンダロスの猟犬についてのメタ知識がなくても、そこまですれば
天宮:なるほどねー。
GM:いや、でもそれなりに伏線は張っていたつもりなので、もしかしたら「エプロンドレスの少女」の予言カードの【真実】が公開される前に気づいてしまうかもしれないとも思ってました。だから天宮さんが1サイクル目の最後に「気づいた」って言ったときは正直かなり焦りました(笑)。
天宮:いやー、あのときは「
呪:伏線って、例えば?
GM:わかりやすいところでいうと、マスターシーンで語られた「ハルムはタイムマシンで未来からやってきた」ということと、呪さんの予言の「ハルムは怪物に狙われている」ということ。つまり「未来からやってきたハルムは怪物に狙われている」んです。ここだけ聞けばティンダロスの猟犬が連想できるんじゃないでしょうか。
呪:なるほどね。
GM:あとは
天宮:ああ、「めっちゃ尖ってる」ね! 「何か出てきそうなくらい」尖ってるね(笑)。そっかー……。
GM:細かいところで言えば、さっき呪さんも言っていましたけど、導入でペルセウスが言ってた「
呪:うんうん。
GM:それから、ティンダロスの猟犬とショゴスの描写は、かなり気を遣って分けています。ティンダロスの猟犬に関する描写は「青い粘液」を纏った「触手のようなもの」、これは実際には舌なので「のようなもの」とぼかしているんですが、ショゴスに関しては、「玉虫色の原形質」としか表現していないですし、「四方から粘性を持った触手が伸び」など、明確に「触手」と断言しています。注意して聞けば二種類いることに気づけるんじゃないでしょうか。
天宮:あー! 確かに「玉虫色」と「青い粘液」はちょっと気になってた!
供我:冒頭にショゴスが出てきたから、「青い粘液」もこのシナリオ独自のショゴスの特性だと思ってたわ。
GM:ふふふ。あ、これは背景情報なんですけど、ショゴスを討伐する運命を負っていたのは、実はハルムだけなんです。
供我:あっ、そうなんだ!
GM:ハルムはショゴスを倒すためにタイムマシンに乗って現代の
供我:はぁ〜! なるほど!
GM:なので、もしあなた達が戦う相手を間違えて、ショゴスと戦ってしまうと、ショゴスを討伐する運命は負っていないので、為す術なく惨殺されてしまいます。
供我:(自分の予言カードを見て)ああ、これそういうことだったんだ!
天宮:深イイシナリオだった!
GM:楽しんでもらえたなら良かったです(笑)。さて、そろそろ経験点の処理をして、セッションを終えましょうか! お疲れ様でした!
(おわり)
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