第14話 冒険フェイズ⑨ そこで呪は瞬時にお姫様した
冒険フェイズ中に戦闘をおこなって勝利した場合、それに応じた戦果を得ることができる。PC達はエプロンドレスの少女との戦闘に勝利したことで戦果として11神貨を獲得した。さて、これをどう分配しようか。話し合いという名の小競り合いの結果、最年長(といっても19歳だが)の天宮が2神貨、それ以外のPCが3神貨をそれぞれ獲得することになった。
天宮:しくしくしく(泣)。奈々ちゃんは若者からのイジメに泣いています。
GM:さて。「戦果表」の処理を挟みましたが、シーンは戦闘直後から再開します。ここでマスターシーンが挿入されます。
●2サイクル目 シーン2 マスターシーン「記憶喪失」
GM(エプロンドレスの少女):「ひゃんっ!」最後の供我さんの一撃を受けて、少女の身体はゴロゴロと地面を転がった。
天宮:やっぱり可愛い!
GM(エプロンドレスの少女):「うう、いたた……。あっ、あれ? ここは……?」そう言いながら、少女はゆっくりと身体を起こす。
供我:なるほど、そういう感じか。
GM(エプロンドレスの少女):「あなたたち……だれ、ですか……?」と少女はあなたたちに尋ねます。
天宮:なんか戦闘モードみたいのじゃなくなってる。
緋色:そうだね。「俺達は、ここにいるっていう化け物を倒しに来たんだ。よろしく」
GM(エプロンドレスの少女):「そうなんですか……。よろしくお願いします」
呪:「あなたは?」
GM(エプロンドレスの少女):「私……? 私は……誰なんでしょう? タイムマシンに乗って、未来からやってきたことは覚えてるんですが……」カプセル型の物体はタイムマシンだったようです。
供我:マジか(笑)。すげー!
天宮:ホントかよ(笑)。
GM(エプロンドレスの少女):「それ以外のことが、まったく思い出せません……。なぜ、この時代にやってきたのかも」
供我:「いや、それを覚えてればいいよ(笑)。十分だ」
呪:「ちょっと待て。未来? それは本当か……?」
天宮:いや、このGMのことだから、嘘吐いてる可能性あるよ。
GM:いやいや(笑)。
まったく心当たりのない誹謗中傷である。
呪:「いや、未来から来るなんて、そんなこと有り得ない! 非科学的だ!」
天宮:「非科学的だー!」
そして、神子がなにか言っている。
GM:では、あなた達から疑いの眼差しを向けられ、少女は「えっと、こういうとき、どうすればいいんでしたっけ……」と言って、タイムマシンの座席の下からマニュアルを引っ張り出して捲り始めます。
緋色:自分のこと覚えてないのに、なんでそういうことは覚えてるの(笑)。
GM:結構そういうこと、多いみたいですよ。常識とか一般的なことは覚えているけど、自分が何者かは忘れてしまうっていう。
呪:記憶喪失系はね。わかるわかる。
GM:しばらくして少女は、分厚いマニュアルをパタンと閉じ、「なるほど、わかりました。どうやら時空移動の際に、私の記憶の入ったストレージだけが何処か別の場所に転移してしまったようなのです」と言います。
呪:やべー、何言ってるのか全然わかんねー(笑)。
GM:続けて少女は申し訳なさそうに言う。「あの、初対面の方々にこのようなことを頼むのは、たいへん不躾だとは承知してますが、ストレージを探すのを手伝っていただけないでしょうか」
天宮:「その初対面の人たちにいきなり襲い掛かってきたのはなんなの?」
GM(エプロンドレスの少女):「えっ」
供我:「確かに」
GM(エプロンドレスの少女):「え、ええと……あの、その。(目を逸らしながら)……な、なんのことでしょう(笑)?」
一同:(笑)。
供我:うわ、出たよ(笑)。
呪:記憶喪失者特有の、都合のいい記憶(笑)。
GM(エプロンドレスの少女):「お願いします。衝撃で飛ばされた程度なので、この近くにはあるはずなのですが……」
緋色:「まぁ、仕方ないな。いいだろう」
呪:「ストレージってなんだ?」
GM(エプロンドレスの少女):「記憶装置のことです」
天宮:ハードディスク的な。
呪:ああ、ハードディスクね。
供我:「どんな形状なんだ? その記憶装置とやらは」
GM(エプロンドレスの少女):「えっと、黒くて四角い箱です」
供我:「わかった、まかせろ」
と、話がまとまりかけた、そのとき。
GM:その瞬間、青い粘液を纏った触手のようなものが、エプロンドレスの少女に迫る!
供我:おお!?
呪:(予言カードを見ながら)ああ、ここに繋がるのか!
GM:そうです。ここで呪さんの予言カードの【真実】が公開されているので、PCの一人が【技術】で判定をすることができます。
緋色:一人だけ?
GM:一人だけです。
天宮:高い奴が振るんだー! (キャラクターシートを見ながら)呪がAよね。
供我:供我がC+++。
呪:C+++の方が良さそうな気がするなぁ。
供我:C+++って絶対成功じゃない?
GM:いえ、「絶望の闇」の修正があるので1だと失敗になります。それに出目が1だとファンブルで、達成値に関わらず失敗なので、その後に「介入」や「職業修正」をしてもリカバリできませんよ。
供我:そっか、ファンブルする可能性があるのか。
呪:じゃあ呪が振ろっか。もしものときは奥の手があるし。
供我:うん、振って振って。
呪:いくよー。(コロコロ)お。成功してるわ、1、5、6。ムードダイスに6取って、判定は5から「絶望の闇」を引いて4成功でいいよね。インガどれ増やそう……。あ、白増やしてもいい?個人的に欲しい。
緋色:いいよ。
運命の輪 黒:2 赤:2 青:4 緑:1 白:3
GM:はい。では呪さんは、素早く少女を……。どんな演出がいいですか?
緋色:お姫様抱っこ! お姫様!
呪:お姫様? 瞬時に?
天宮:瞬時にお姫様! いいんじゃない?
呪:そんなに呪はチャラくないから。
天宮:いや、語呂がいいじゃん。「そこで呪は瞬時にお姫様した!」
一同:(笑)。
呪:じゃあ、瞬時にお姫様するわ。
GM:はい。では呪が少女を抱え上げ、瞬時にお姫様したとき。
一同:(笑)。
GM:その触手のようなものは、空を掴み、そして消えた。
緋色:少女の妄想の世界みたい(笑)。
GM(エプロンドレスの少女):「あ、ありがとうございます……! なんだったんでしょう……?」
呪:「あれは、この鍾乳洞にいる化け物かなにかだろう」
GM(エプロンドレスの少女):「そ、そうなんですか……」というわけで、ここで「NPC エプロンドレスの少女」と「
予言:NPC エプロンドレスの少女
【暗示】彼女はタイムマシンに乗って未来からやってきたメイド型ロボットである。今は時空移動の衝撃で記憶を失っているようだ。
彼女の【任務】は、記憶を取り戻すことだ。……今のところは。
予言:
【暗示】エプロンドレスの少女の記憶を司る、大容量のストレージ。時空移動の衝撃でどこかに行ってしまった。
呪:ロボットだったの!?
天宮:あれかな。未来から誰かが我々を助けるために……。
緋色:セ◯シくん?
GM:このあとの通常のシーンで、この2つの予言カードについても調査ができるんですが、「
「危険な旅」はシナリオ上重要な舞台の移動があったときに発生する。PCは移動判定を行い、失敗すると「試練表」を振って出た目に対応した試練を受けることになる。試練の内容はその名の通り、よくないことである場合が多い。
GM:それでは、2サイクル目の通常シーンを行います! 誰からにしましょうか。
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