第23話肺の影の正体。

肺の影の正体。



「あ、過去の炎症の痕だって言ってたぞ、お医者」



「マジですか~」



「過去ってどれくらい過去なの」



「わたくし「かさぶたみたいなものですか?」って聞いて、OK出されましたよう」



「マジか!」



「それにしても、今まで出てこなかったあれやこれやで、医療費まかないきれません!」



「アレルギーとかねー。なんでイキナリ?」



「イキナリて」



「あれだろう。原子力発電所が支障きたしてからだから」



「雨アレルギーって、やっぱ放射能のせいなのか?」



「そんなんだったら禿げてるでしょ」



「そんなあああ!」



「親が「熱ないし、風邪気味なだけでしょう」って言って、病院行かせてくれなかった過去」



「吐き気するほど咳き込んでるのに、放っとかれた」



「あんなのどこかおかしいって、自分だけがわかっていたという……」



「咳ね。アスベストらしきものを吸ってしまった過去もある」



「タバコも吸ったことがないのに、肺炎とか苦しすぎる」



「それで、そのかさぶたは今後もレントゲン撮るたびに映ってくれるのかしら?」



「でしょうねえ」



「マジか!」



「肺って治癒しないものらしい」



「そんな昔の傷痕背負って生きてくの私……」



「しかも内臓」



なにかいろいろイヤあああ!








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