13 ハンターズ プロローグ

アップルマンゴー

プロローグ 1

プロローグ 1


 薄ぼんやりと明るい廊下


 誰もが寝静まる夜


 要所に止まった機械仕掛けの鳥たちは、厚いガラスの目を鈍く光らせ無機質に無感情に機械的にゆっくりとみずからの駆動音をほんのりと漏らし、何も無い、誰も居ない、何も起こるはずの無い薄暗い空間を冷たく写して居た。


 その静寂せいじゃくを硬質な音が落ち着いたリズムで凍りつかせた。


 音は、思いとは裏腹に


 カツン カツン カツン カツン


 と無情にも、どおしても無言しじまを壊してしまう。


 硬く響く音色を目立たぬ様、ゆっくりでもなく、早くもなく慎重しんちょうな面持ちで歩みを進める。


 気が流行り、急ぐ気持ちを隠し、出来るだけ何時いつもも通りに自然体をイメージして……


 急ぐでも無く慌てるでも無く、はやる気持ちをおさえて淡々と歩く。


 外からLEDの外灯にぼんやりと照らされる壁に貼り付けられた1枚の木製のしっかりとした少し大き目の厚みの有る板がしっかりと壁に張り付けてあった。


 第一研究室


 外からの光で淡く照らし出された看板にそう書かれてた。


 目的地につき、ほっと息をらした。


 鍵は、あらかじめ開けられていた。


 本来ならば最重要機密が研究されているこの部屋は、限られた者しか入る事を許されておらずごく限られた者にしかカードキーは配られいない。


 その空いているはずの無いとびらの鍵は、開かれていた。


 当然の様に当たり前の様に自然にその扉をけると中は、暗闇に包まれていた。


 明かりを探しあたりを右から順に探すと、左側に何かがまったガラスのつつ?いや、システムがぼんやりと照らしていた。


 静かに、ゆっくりと、音を殺し、慎重に開かれた扉を閉め警戒を緩めるずに歩みを進める。


 近づくにつれあわく光に包まれた大きなガラスの筒に何かを詰め込んだ機械的なシステムがその不気味な姿を表した。


 ガラスの筒の中には、容器いっぱいの液体(ホルマリン)に大脳をふくめた臓器が収められており臓器の各所に電子端子や管に人工筋肉が取り付けられておりモニターには、よく解らない数字が映し出され、心臓の鼓動と共にリズムを刻んでいた。


 モニターの矢印のカソールが右下角みぎしたすみのスピーカーマークにゆっくりと移動しマークにカソールが重なると付いていたバツマークが消された。


 誰に気付かれるとも無く……


 何処からとも無く声が漏れ出しす。


 「やぁ、遅かったねスレイヤー 」


 軍隊のエンブレムが装飾されたキャスケットをかぶり肩に階級を示す装飾がほどこされた青い軍服を羽織る階級は大尉、中に白いシャツを着込み赤い無地のネクタイをめ、上着と同色のスラックスとピカピカにみがきき上げられた革靴をいた青年は、肩をすくめて


 「やぁ、博士も元気そうだね」


 青年は、キャスター付きの事務用の椅子に腰を投げギシリと椅子をきしませた。


 「スレイヤーそろそろやって貰おうか」


 「良いんだね、もう後戻り出来ないよ博士」


 青年は、白い歯を見せた。


 モニターの画面が変わり文字の羅列られつが表示され右端に色の消えたスイッチのアイコンが並びカーソルの移動と共に次々と色灯し、巨大な施設に生命いのちが宿った。


 施設内に電力か巡り、コンプレッサーのタンクに空を充填させるモーター音、原点復帰をする工作機械の駆動音、水銀灯は白や緑に色を付けだんだんとあたりを照らし出し


 そして……奥に巨大な2体のロボットが姿を表した。


 「Drブラック・スミス、オリジナメカノイド、形式は前に有る黒いのがBOMType1ガイオス、奥に有る赤いのがBOMType2メーテールだ。どちらが好みだい?」


 「でっ、どう違うだい博士」


 「基本的に何方とちらも対して変わらん、車型に変わる可変機構があって完全防水だ」


 「可変機構かー、そいつは凄いね。ところで水中性能はどうなだい」


 「あぁ多少違うと言った所だね、ガイオスはマシーンモードでブロペラで水上航行する。言わば万能型だ水上航行も陸上走行も出来るが運動性能は比較的に凡庸ぼんようだ。メーテールの方は、完全防水だが浮く事は無い只単純に浸水し無いだけで底を走行するだけだ、勿論もちろんメカノイド形態では同型機性能は一緒だ」


 「じゃー、地上を走行したら?」


 「ん~?、高速戦闘車両と同等かそれ以上じゃないか?モーターは新型だからな少なくともガイオスよりは早いぞ余計な物は付いていないし、何より走る事に特化しているからな」


 「そいつは早そうだ、ところで何で疑問系なだい?」


 「それは簡単な質問だね、まだ一度も動かした事が無いからだよ」


 「そいつは愉快だ。それでこれからどうしたらいい?」


 「今から私と研究室のシステム切り離す。そして、私を何方どちらかのメカノイドに移植して欲しい」


 「博士、オカルトは好みじゃ無いんだけどな」


 「最新型メカノイドが手に入るし自由に成れる。何よりお互いにもう後戻りは出来無いだろ、この施設に火を灯した時点でいや君が此処に来た時点で彼女には、バレているだろうから……」


 モニターの画面が黒く染まると非常事態を知らせるサイレン音が鳴り響き赤々染まり、スレイヤーは臓物の入る容器を取り外しメカノイドに向かった。


 




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