世界賊

ラストバトル

　早いよ。もうラストバトルかよ。

　いや俺が最大の敵とバトるってワケじゃなく、そんな感じの場面に出くわしたんですよ。

　階段下りるのもメンドくさくなったんで、もう落下しました。

　下は海。

　ピューっと落ちて海面手前でＵ･･････マジカルケイヤクシャインパワーでブレーキ。

　えー、太平洋ってやつですね。ちょっと目的地の日本から離れちゃったかな。

　そう、俺は日本に向かってる。例の『世界賊』姉さんに頼まれた。

　なんだかんだで彼女のお願いを聞いてやる事にしたんだ。

　ん、まあ、俺やること無いし。もう生きる目的も、特に無いから。

　ただ、この星に、少し、少しだけ気になる事があって、だから近くの宙域に留まってたりもしてたんだが、ふ、ふん、べ、別に大した事じゃない。

　まあそういう事もあって、ついでだな。ついで。

──と、あれ。

　何かしらアレ。

　目の前の海上に、軍艦の集団が･･････。十隻程でしょうか、何か煙が立っています。

　艦橋とか色々、攻撃を受けた感じでボロボロです。航行不能な感じです。

　乗員が慌しく右往左往してますね～。

　別にどうでもイイ。

　俺はその艦隊を迂回し、カツンカツンと日本に向かって歩いた。

　そうするとハイ、いるワケなんだよラスボスが。

　艦隊から少し離れた上空三百メートル付近。その辺りをルルル～とハミングしながら俺はテンション上げて歩いてたらエンカウント。

　ロープレゲームで船ＧＥＴして最初の港から少し出たところでラスボス、くらいの唐突感。

『しび○くらげ』かと思ったらラスボス。

　寧ろ神ゲー。

　なんですか、後日パッチ配信ですか。

　極天使（きょくてんし）ＶＳ機械神（きかいしん）。タイトル付けるならこんな感じ。

　そんな感じのラスボスが二体、間合いを空けて対峙してた。

　これは関わってはいけない。

　俺は見てはいけない、認識してはいけないラグナロクに足を踏み入れてしまったのだ！　引き返すべきだ！

　だけどメンドくさいんで俺は直進した。