一覧

回文短歌風(選外)五十首詠


別01

短歌増え末の世歌う心色古語歌う世のSF感だ

たんかふえ すえのようたう こころい(ろ こごうたうよの えすえふかんだ)


別02

神の品望みの宝師弟愛弟子らが頼みその梨の実が その名死の身が(その梨の実が)

かみのしな のぞみのたから していあ(い でしらがたのみ そのなしのみが)


別03

陽が延びた谷に分かるる川清き別るる側に似た旅の可否

ひがのびた たににわかるる かわきよ(き わかるるがわに にたたびのかひ)


別04

遠ざかるこの田流るる川絶えた分かるる彼方残る風音

とおざかる このたながるる かわたえ(た わかるるかなた のこるかざおと)


別05

時募りこの田流るる川風か別るる彼方残りの月と

ときつのり このたながるる かわかぜ(か わかるるかなた のこりのつきと)

別06

多世界の未確定版時間線過信ハイテク神の往かせた

たせかいの みかくていばん じかんせ(ん かしんはいてく かみのいかせた)


別07

快楽見飛び立つ旅だ漂うよただ旅立った瞳暗いか

かいらくみ とびたつたびだ ただよう(よ ただたびだつた ひとみくらいか)


別08

敵わない図太く勝気闘うか ただ機知欠くと無粋な罠が

かなわない ずふとくかちき たたかう(か ただきちかくと ぶすいなわなが)


別09

何度舞う戸惑い悩み閉ざす蓮「里宮ない」と惑うマドンナ

なんどまう とまどいなやみ とさすは(す さとみやないと まとうまどんな)


別10

ながやまは とひとむらいの みちしる(し ちみのいらむとひとはまやかな)

永山は問弔の道印し魑魅のいらむと火と破魔矢かな


別11

神園や死や世に雛ぬばたまの魔束ぬ今宵如夜叉望みか

かみぞのや しやよにひよこ ぬばたまの(またばぬこよひ にょやしゃのぞみか)


別12

蟲の舞う床板疎い飛ぶ鳩は太い胴体「かゆうま」の染む

むしのまう ゆかいたうとい とぶはと(は ふといどうたい かゆうまのしむ)

 ※【かゆうま】日記の最後に書かれた遺言の様なメッセージのこと


別13

バット持ち覗く眼好奇ラビの手の拓き蠢くその地も突破

ばつともち のぞくめこうき らびのて(の ひらきうごめく そのちもとつば)


別14

耐え切れぬ破綻財政ど貧民酷い凄惨 田は濡れ消えた

たえきれぬ はたんざいせい どひんみ(ん ひどいせいさん たはぬれきえた)


別15

子が発つさ一人基地の夜飛び出した一夜の契り飛び去った過去

こかたつさ ひとりきちのよ とびだし(た ほとよのちぎきり とびさつたかこ)


別16

影残し預かる御霊追悼と何時また見るか素足この怪我

かげのこし あずかるみたま ついとう(と いつまたみるか すあしこのけが)


別17

耕せ田一人土地勘財築き遺産勝ち取り跳び出せ館

たがやせた ひとりとちかん ざいきず(き いさんかちとり とびだせやかた)


別18

通る先 生垣繁る駅からが消える景色か芸妓去る音

とおるさき いけがきしげる えきから(が きえるけしきか げいぎさるおと)


別19

番号が適度な仕掛けドキドキと気解け菓子など来て買うコンパ

ばんごうが てきどなしかけ どきどき(と きとけかしなど きてかうこんぱ)


別20

敵うまい精神急かしつい憂う何時しか戦死異性舞う中

かなうまい せいしんせかし ついうれ(う いつしかせんし いせいまうなか)


別21

長き島積む裳も軽く今憩い舞い来る鴨も睦まじきかな

ながきしま つむももかるく いまいこ(い まいくるかもも むつまじきかな)


別22

熊野(ゆや)発つさ一人旅来て怒りあり快適浸り飛び去った揶揄

ゆやたつさ ひとりたびきて いかりあ(り かいてきひたり とびさつたやゆ)

 ※ 「ゆや」は「湯屋」でも良い。


別23

世は荒地人の見る会う心色孤高ある身の飛び散れあばよ

よはあれち ひとのみるあう こころい(ろ ここうあるみの とびちれあばよ)


別24

疫も餌死神来たりただ黒く祟りだ君が虹さえも消え

えきもえさ しにがみきたり ただくろ(く たたりだ きみが にじさえもきえ)


別25

つまり与太鉄道オタク沢山さクタクタ嘔吐伝手頼り待つ

つまりよた てつどうおたく たくさん(さ くたくたおうと つてたよりまつ)


別26

誰か抱くご案内され暴れ揺れ場荒れ災難顎砕かれた

だれかだく ごあんないされ あばれゆ(れ ばあれさいなん あごくだかれた)


別27

誰か抱くご案内されワア彼が哀れ災難顎砕かれた

だれかだく ごあんないされ わあかれ(が あわれさいなん あごくだかれた)


別28

意見かい精子足りなく大揉めも多くなりたし異性関係

いけんかい せいしたりなく おおもめ(も おおくなりたし いせいかんけい)


別29

過去勇み呼び出す悪がいたからか退学明日だ日読み最後か

かこいさみ よびだすあくが いたから(か たいがくあすだ ひよみさいごか)


別30

仕留めたい政治失敗解散さ意外初支持為政駄目とし

しとめたい せいじしつぱい かいさん(さ いがいはつしじ いせいだめとし)


別31

追記生み画家リアルな死リオの地のオリジナルあり鏡浮き出づ

ついきうみ がかりあるなし りおのち(の おりじなるあり かがみうきいづ)


別32

神の族高速道路通行後移ろう毒素動くその身が

かみのぞく こうそくどうろ つうこう(ご うつろうどくそ うごくそのみか)


別33

事始め さあ作ろうか? 塩辛か 伯父がうろつく「朝飯は何処?」

ことはじめ さあつくろうか しおから(か おじがうろつく あさめしはどこ)


別34

過去変わり 茎ずらし花 死の印 野路、名は知らず ギクリ 我が子か?

かこかわり くきずらしはな しのしる(し のじなはしらず ぎくりわかこか)


別35

世の扉人の見る会う心色孤高ある身の扉人の世

よのとびら ひとのみるあう こころい(ろ ここうあるみの とびらひとのよ)


別36

才無くし淋しい身体つい口説く云ったら開始久しくないさ

さいなくし さびしいからだ ついくど(く いったらかいし ひさしくないさ)


別37

見よ映えよまさかの悪夢死神が西向くあの蛾彷徨えば黄泉

みよはえよ まさかのあくむ しにがみ(が にしむくあのが さまよえばよみ)


別38

住んで知れ清き関係長い愛適い喧嘩期良きレジデンス

すんでしれ きよきかんけい ながいあ(い かないげんかき よきれじでんす)


別39

裏切りの慰安婦見つけ動き泣き高潔身分相乗り嫌う

うらぎりの いあんふみつけ うごきな(き こうけつみぶん あいのりきらう)


別40

いざ負担下がる徴も相場師は嘘も知る知る嵩んだ負債

いざふたん さがるしるしも そうばし(は うそもしるしる かさんだふさい)


別41

魔の時間激突姉は飛び出した人撥ね「あっ」と危険か死の間

まのじかん げきとつあねは とびだし(た ひとはねあっと きけんかしのま)


別42

石流れ不安皆に実感か辻に難民溢れ悲しい

いしながれ ふあんみんなに じっかん(か つじになんみん あふれかなしい)


別43

問題は恋し切れない大学か偉大な歴史以後は異端も

もんだいは こいしきれない だいがく(か いだいなれきし いごはいたんも)


別44

最果ての素晴らしい村下り降り企む医師らパスの手配さ

さいはての すばらしいむら くだりお(り たくらむいしら ぱすのてはいさ)

別45

檀家死に元妻を追う一時と飛魚を待つともに時間だ

だんかしに もとつまをおう ひととき(と とびうおをまつ ともにじかんだ)


別46

紙抓み鷺を印した前書きが絵馬に記しを刻み待つ身か

かみつまみ さぎをしるしに まえがき(が えまにしるしを きざみまつみか)


別47

されたのも素顔が縁さ赤い鯛母さん笑顔為すもの誰さ

されたのも すなおがえんさ あかいた(い かあさんえがお なすものだれさ)


別48

溝の土地慰問ホテルで聞いた歌生きてる手本も一度望み

みぞのとち いもんほてるで きいたう(た いきてるてほん もいちどのぞみ)


別49

気取る友見えない君が迎える絵ガム噛み奇異な笑み戻るとき

きどるとも みえないきみが むかえる(え がむかむきいな えみもどるとき)


別50

床の間で四季無し香るツツジ刺し綴る可笑しな騎士デマのこと

とこのまで しきなしかおる つつじさ(し つづるおかしな きしでまのこと)


 回文短歌風(五十首詠)(01-50)

 https://kakuyomu.jp/my/works/1177354054880522793


 回文短歌風(選外)五十首詠(51-100)

 https://kakuyomu.jp/my/works/1177354054881403074


 回文短歌風(その後)五十首詠(101-150)

 https://kakuyomu.jp/my/works/1177354054882112373


 回文短歌風(目指せ二百首)五十首詠(151-200)

 https://kakuyomu.jp/my/works/1177354054922073949


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