第15話
「おいおい、摩耗会で何するってんだよ!」
「『道場破り』に決まってるでしょ? 呆れた」
「勝手に呆れんなっての! 俺は修行がしてーんだ。道場破りじゃねぇ!」
楚歌はため息を一つ。
「アンタは
「待てって。つーかこの際、ちゃんと説明してくれ。
「
理は首を捻る。
「まあ、簡単に言うとガソリンみたいなものよ。
「
「じゃあ、俺達がやってるカンフーは何なんだ?」
「
「じゃあ俺達がやってたのは.....」
「本当のカンフーじゃない。ま、
「ん? じゃあ師範代は皆、
「あのね、強いから師範代になるんじゃなくて
理は開いた口が塞がらない。
「じゃ、じゃあ俺がもし
「一生、師範代にはなれないわね」
「な、なんで親父は俺に
「アンタが器じゃなかったか、それともアンタのお父さんは『安全派』だったからかもね」
『安全派?』と理は復唱する。
「さっきも言ったけど、
「マジか.....」
「私が見る限り、アンタは
楚歌と本気で対決したとしても緊張感が欠けてしまう。理は緊張感が修行には大切だということを知っていた。
全身全霊で挑むことによって限界を突破できる。
だからこそ、顔見知りの楚歌ではなく、摩耗会の人間と闘う。一応筋は通っている。
「だから『道場破り』をしろって?」
「そう。どう? やってみる気になった?」
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