第1392話 兵器の終焉

星峰の使用した白銀の魔鏡で反射されたレーザーはそのまま角度を変えて兵器に直撃し、レーザーを発射した場所に直撃して兵器を破損させる。


「今の能力、私には……!?」


今の一連の流れを見た空狐は少し困惑した表情を浮かべるが、それを見た星峰に


「皆、じっと見ている場合じゃないわ!!早く兵器の破壊を行って」


と叱責とも取れる発言をされ、直様視線を兵器の方へと向け直す。

だが僅かばかり遅かったのか、兵器は直ちに次の攻撃態勢を取ろうとする。


「彼女を救出した以上、もうこれ以上黙っている必要は無いね!!」


天之御はそう言うと兵器に視線を向け


「魔王妖術……漆黒の冥府!!」


と言って目の前に黒い妖力を出現させ、それを兵器に対して放つ。

そしてその兵器にそれが直撃すると兵器はその中に吸い込まれていき、そのまま影も形も残さずに消滅する。


「今の攻撃……兵器は一体どうなったんです?」


目の前で起こった現象に理解が追いついていないのか、コンスタリオは天之御に対して問いかけを行う。

すると天之御は


「ああ、別世界に飛ばしたんだよ。

柔軟性が無い兵器であれば永遠に出てくる事が出来ない場所にね。

だけど一部の能力を使えばその世界に有る兵器を僕達が調べる事は出来る、貴重な情報源をみすみす逃す必要は無いからね」


と今使用した能力を解説しそれを聞いたコンスタリオも納得した表情を浮かべる。


「成程、向こうが抵抗出来ない様にしてしっかりと解析していくという訳ね」

「ああ、そしてその解析は彼等がやってくれる。

既に話は付けてあるからね」


納得したコンスタリオが表情にそれを出すとシレットも


「彼等というのは貴方達が二回目の通信の際に一緒に居た魔神族達の事ですか?」


と問いかける。

すると今度は星峰が


「ええ、解析は彼等に任せておいて問題ないわ。

最も、異なる世界に干渉する能力が有るなんて私も今初めて知ったけど」


と返答する。

やはり星峰の言葉の方が安心感が有るのか、シレットも、そしてモイスも納得した表情を浮かべて胸を撫で下ろす。


「さて、ここから先のデータルームにデータを調査しに行くわけだけど、彼女はどうするつもりなの?」


天之御はそう問いかけながらアンナースの方に視線を向ける。


「そうね、私達もデータを入手する必要はあるからここで足を止める訳には行かないけど、かと言ってアンナースを放置しておく訳にも行かない。

それに万が一、彼女自身に何か手が加えられている可能性も否定は出来ない」


アンナースの方を見ながらこう語るコンスタリオの声には心配と葛藤が入り混じっていた。

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