第1366話 涙名への疑問

モイスのアシストを受け、岬は体制を立て直しつつ更に兵器に攻撃を加えていき、遂にその内の一機を墜落させる。


「落としたのは良いけど、このままだと兵器の墜落に巻き込まれない!?」

「その心配は無用だよ!!それを考えてないほど間抜けじゃない」


兵器が落ちてくる事に若干の焦りを感じるシレットだが、それに対し涙名が前に出て


「闇妖術……断絶の帳!!」


涙名はそう叫ぶと一同の上に黒い幕を展開し、その幕で落下してきた兵器を受け止めて消滅させる。


「この幕は……」

「この中にいる限りは大丈夫、だから兵器の落下は気にしないで!!」


だがその直後に幕は一旦消滅する。


「え!?ずっと貼り続けるんじゃないの?」

「それじゃ俺達も攻撃出来ねえだろ、あくまで兵器が落下する時だけあれを貼ってくれるってだけだ。

最も、それだけで十分だけどな!!」


幕が消滅した事に少し動揺したシレットに対しモイスはその意図を読んでいるのか的確な返答を返す。

それを聞いてシレットも合点がいったのか表情は安心した物となる、だが同時に


「だけどあの魔神族、モイスの狙撃についても他の魔神族より、勿論スターは除いてだけど反応を示していなかったわね、彼はモイスの能力を承知しているの?

スターから聞いていたのかも知れないけどそうだとしたら他の面々が知らないのは不自然な話ね」


と涙名の行動に疑問を抱くのであった。


「さて、俺達もいつまでも見物してる訳には行かねえぜ!!」


八咫がそう言うと同時に一同は兵器の方へと視線を戻し再び交戦体制を取る。

だがその時既に兵器は岬が全て破壊しており、推進力を失った兵器が複数落下してきていた。

それを確認した涙名が再び幕を展開し兵器を受け止めて消滅させる。


「これで兵器は消滅したね、さて、先に進む前に話してもらっていいかな、君達の方で何があったのかを」


幕が解除され、その隙間から岬が降下してくると涙名は念の為なのか再び幕を張る。

安全が確保されたのが確認出来た事に安心したのかコンスタリオも安心した表情で


「ええ、説明する必要があるわね。

貴方達が遺跡から進行してきた兵器と交戦している間、私達がどうしていたのかを」


コンスタリオがそう口を開くと一同はその話を聴くために耳をコンスタリオの方へと向ける。


「あの後、私達は……」


~前回の通信終了時~


「さて、言い切った以上やって見せる必要があるわね」

「はい、私達も動かなければ」


通信を終了させた後、コンスタリオとシレットは顔を向き合わせて頷く。

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