第1304話 再びの通信
「星峰、だとすると彼等にもこの事を伝えておいた方が良いじゃない?
遺跡に施設が繋がっていると言う事はつまり、逆に言うと遺跡側の亡霊や兵器が施設に向かう可能性も有り得るという事でしょう」
「確かに其の可能性も考えられるわね、上手く繋がってくれると良いのだけど……」
天之御の話が終わったと同時に空狐が思い出した様にこう口にする。
それを聞いた星峰はハッとした表情を浮かべた後通信妖術を発動させる。
星峰とて其の可能性を想定していない訳ではなかった、だが亡霊の事、遺跡の事を考えると安易に妖術を使う訳にもいかなかった。
「彼等というのは先程のお話の中にあった星峰さんの嘗ての同僚の方ですね、僕も早くお伝えするべきではないかと思います。
殿下の攻撃ですら若干受け止める兵器に万が一亡霊が加わる様な事になれば其の方達が圧倒的に不利な状況に追い込まれてしまうのは想像に難くありません」
先程の話を聞いて危機感を抱いているのか、霊諍も星峰に連絡を入れる様に促す。
最も、其の顔は星峰の同僚即ちコンスタリオ小隊の面々がどの様な人族なのか興味津々という様子も若干ながら見え隠れしているが。
其の言葉を受け、且つ霊諍の様子に気付いてか気付かずか、星峰は通信妖術を発動させてコンスタリオ小隊に連絡を入れる。
そして繋がったのを確認すると星峰は早速コンスタリオ小隊と会話するが、その前に彼等の側に起こった事、入手したデータの事を聞く事になる。
「つまり、貴方達は現在施設や遺跡から少し離れたその霊諍って子が管理している秘密基地に居るという事なのね」
「ああ、本来であれば任務途中で調査対象から離れるのは避けたい所なんだけど状況が状況なだけにね」
コンスタリオに対し天之御は謝意を込めた発言を行なう、だがそれに対してコンスタリオ小隊は
「いえ、恐らく私でも其の判断は下したでしょうから別に其の事についてとやかく言う気は無いわ。
だけどそんな巨大遺跡が存在して、しかも亡霊の住処にもなっているとなると厄介な存在になりうると言うのは否定出来ないわね」
「ああ、そんな所を身近に抱えているのであれば俺達も心配になる」
「ええ、魔王の判断は正しいと思うわ」
と天之御を責めたりはせず、其の判断について肯定する発言を行なう。
「それにしても、遺跡と施設が直接繋がっていたとはね……更に居住区が二つ、且つそれぞれが進行されるかの様な印象を受けると、二つの居住区の生命は互いに争っていたとも思えるわね」
だが直後にコンスタリオがこう発した事で一同の意識は現実に引き戻される。
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