第1268話 再来する悪夢

しかし、其の扉の奥もコンスタリオ小隊の警戒とは裏腹に扉の奥には特に何も仕掛けられておらず、警戒心を抱いていた事を拍子抜けさせられるレベルの肩透かしであった。


「扉の奥にも何の迎撃も無い……此れは一体どういう事なの?罠という線も考えられなくはありませんが……」

「それだけこの部屋を洗浄にしたくないという意図の表れなのかもしれないわね、とにかく今は先に進みましょう」


シレットが再び疑問を口にするとコンスタリオは一旦それを保留して先に進む事を優先する様に告げる。

其の言葉に従って先に進んでいくとそこには何処かで見覚えのある光景が広がっていた。


「これは……どうやら隊長の仮説で当たっている様ですね」


シレットがそう告げた後、コンスタリオ小隊の目の前にはガラス張りの窓、そして其の奥に見える兵器生産プラントという確かに何処かで見た覚えのある、いや確実に見た事がある攻撃が広がっていた。

目の前のプラントは稼働しており、兵器の生産も行われている、其の事からこの施設のプラントは複数の箇所にまたがって建造されている事が伺える。

そして其の生産されている兵器はそのまま何処かへと送られている様だ。

少なくともコンスタリオ小隊の元にやってくる気配はない。


「兵器の生産が行われているプラント、此れで二箇所目ね。

となると此処に迎撃システムや兵器の追撃が入ってこない理由もプラントの破損を防ぐ為と考えてまず間違いない、此処では一体どの様な兵器が生産されているの?」


コンスタリオはそう言うとガラス張りの窓越しに生産されている兵器の姿形を覗き込む。

だが少なくとも其の外見は先程コンスタリオ小隊が破壊したプラントで生産されていた兵器とそう大差があるようには見えなかった。

同じ兵器を複数の箇所で生産している、それだけその兵器の需要が多いということなのだろうか?

そんな事を考えながらもモイスは


「だったらこの上の方にデータルームも存在してるんじゃねえか?さっさと先に進んで其の事を調べてみようぜ、兵器が作られていくのを黙ってみている訳にも行かねえし」


と呑気に工場見学をしている場合ではないという事を告げ、それを聞いたコンスタリオも


「そうね、それにあの兵器が本当に先程までの兵器と同様の仕様であるという保証も無い、何か違いがあるかもしれない、急ぎましょう!!」


と告げて先に急ぐ事を告げる。

そして三人は更に足を進め、プラントの上流を目指して進んでいく。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る