第98話 リベンジの好機
「スリーリバーマウンテン!?でも確かあそこは・・・」
机に両手を叩きつけて立ち上がるコンスタリオ、その一部始終を見た兵士長は
「ブエルスの諸君の動揺は最もだ、何せ一度奪還に失敗しているのだからな。だから今回はキャベルの兵力、そして先日の兵器も導入する。総力は前回の倍以上だ。
作戦実行は今から二時間後、それまでに準備を整えておくように」
とだけ告げ、質問をする時間も与えずに去っていく。当然、そんな事を急に聞かされた兵士達は騒めき始める。
「スリーリバーマウンテンにいきなり向かうなんて・・・しかももう時間も・・・」
「・・・恐らく、それも作戦の内なのでしょうね」
やはり動揺を隠し切れないシレット、だがそれを見たせいかコンスタリオに少し冷静さが戻る。
「作戦の内?」
「ええ、前回は作戦開始までに十分な時間を取った為に情報がどのように流出したのかが分かり辛くなってしまった。でも今回はほんの僅かしか時間がない。つまり作戦の事を知る人物はかなり限られているのよ。それでもなお情報が漏れたとするなら・・・」
「・・・内通者は間違いなくこの城の中に居る、そういう事ですか」
モイスの問いかけに更に冷静さを取り戻し返答するコンスタリオ、それを聞いた結果かシレットも若干落ち着きを取り戻す。だが
「・・・まあ、情報が洩れていないにしても迎撃部隊は出てくるでしょうね。もしの中にあいつらが居たら・・・」
と同様とは違う別の感情が渦巻き始めていた。顔からそれを察するコンスタリオだがシレットにかける言葉を見つける事が出来ず顔を斜め下に向ける。そうこうしている間にも時間は過ぎ、あっという間に作戦開始時間になり、兵士達は城の入り口に集められる。そこで兵士長は
「今回から新たに新型移動車を導入する。これは今までの移動車の四倍の速度で移動出来、砲弾の出力や射程も向上している。だが勿論コストもかかっている。それだけ君達が重要だという事は承知していてくれたまえ」
と告げ、新たな移動車に兵士を乗せて出撃させる。しかし、その光景は全て魔神族に見られていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます