第220話 ある程度はまいていこう
朝廷への聞こえは良く、百姓からの信頼を勝ち取り、軍備の補給は完了し、頼れる仲間を得た。
一石を投じたことにより四の鳥を得たことは出稼ぎの曹操軍にとって大いなる『利』であった。
そんな彼らは、今日もイナゴと同じように各地を転々と移動して、獲物を求めてさまよい歩いていた。
そんなある日・・・
「ふむふむ、なるほど、なかなかどうして・・・近頃、『
「左様ですばい、曹操さま。両名は、苛税、略奪、軍法違反を繰り返し、民たちを大いに苦しめているとのことですたい。そのため、城内の風紀は乱れに乱れ、アッチョンブリケな状態になってるそうでしゅ。」
「・・・ふふふ。それは良い報告であるな。今なら討てるぞ。」
報を受けた曹操は勝利を確信した。
勢いに乗り、飛ぶ鳥を落とさんとする士気の高さに加え、敵が油断しているとあらば勝利は必然。
曹操は、「時は来た!」と直感し、軍の方向を一転させ、兗州奪還に乗り出した。
曹操軍は、ピューーッ!と素早く、あっという間に兗州へと到着した。
この電撃的な曹操軍の行動に、
「えっ!? うそっ!そんな馬鹿な!いくら小説(笑)だからと言っても来るの早すぎない?まいているのか?(業界用語)」
と驚き慌てながら、駒を揃えて、城より討って出て来た。
「よしよし、城からアホ二人が討って出て来たぞ。・・・だれか奴らをぶっ殺そうとする者はおらんか?」
曹操の問いかけに、新米武将が真っ先に手を上げた。
「拙者にお任せあれ!!」
手を上げたのは、先頃、曹操軍に入隊したばかりの
彼は曹操から出陣許可を貰うと、馬に跨り、一目散に戦場へと駆けて行った。
許褚殿には申し訳ないが、別段盛り上がる戦でもなかったので、結論をパパッと書いて終わらせて頂く。
戦は曹操軍の圧勝であった。
戦場へと赴いた許褚が、薛蘭と李封の2人を一気に斬り伏せ、大将を失った呂布軍は混乱。
そこへ本隊を率いた曹操が攻め入り、あっという間に城を落としてTHE・END。
以上が本戦の流れであった。
「許褚よ。初陣にて敵将二人を討ち取った功績、誠に見事であったぞ。」
「はっ!」
「うむ。これからもよろしく頼むぞ。」
「御意!!」
問題なく兗州城の奪還に成功した曹操。
「これで一安心。良かった、良かった~~!」・・・で終わる彼ではない。
彼は勢いそのままに、呂布のいる濮陽へと軍を進めるのであった。
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