忘却の砂
忘却
砂が落ちてくる。
それを見上げる。
砂が落ちてくる。
足元に溜まる砂。
さらさらと小さな音で小さな流れで砂が落ちてくる。
光は射しこまない。
暗く涼やかな空気。
圧迫されていく。
砂の重さが全てを覆い尽くす。
誰かがかえってくることもない街。
街並みは砂に覆われた。
地中の街に砂が降り積もる。
全てから
私が埋もれてしまえば私もまた忘れられる存在になる。
街と同じになれるのだ。
早く、むしろ早く砂に埋もれたい。
荒廃を。
無為を。
見ていたくないのだ。
私は君を忘れて。
私も忘れられて。
長い眠りにつきたいのだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます