手品

久しぶりに、休みが取れたので劇場に行ってみることにした。

劇場といっても、演劇を見るわけではない。私が求めているのは手品だ。

そんな中で、お盆休みに一枚、マジックショーのチケットを友人からもらった。仕事上、いつ仕事が入るか分からない私はいける日にいっておくことにした。北海道から飛行機でわざわざ那覇にきたのだ。つまらなかったら、劇場ごとつぶしてしまおうか。早速中に入った。タイトルは、「天才ミスターマチックのマジックショー」。マジックショーなんてこんなタイトルが多い。いくつかが終わり、次は、帽子から鳩が出てきた。これは、僕も分かってしまった。観客からみえないように帽子に仕切りがしてあった。もちろんこんな手品はやったことない。しかし、分かった。それを僕は大きな声で言ってしまった。観客席にはどよめきが走る。そんな中、マチックはこう僕に言った。

「師匠、なんでここにいるんですか。」

言い忘れていたが、僕の名前はミスター・マジック。手品師だ。マチックは僕の弟子。それの沖縄公演だったのだ。僕の公演の場合、こんなタイトル。

「ミスターマジックの奇怪な魔術  助手 マチック」

後輩を育てるのも大事な役目。

僕は登壇した。

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