500文字物語
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初めての五作
告白
小学六年生も、あと一ヶ月で終わってしまいます。この一年はいろいろありました。僕が好きな人に告白したのです。そして、振られました。それが延々と繰り返された十ヶ月。それこそ、僕は、クラスでもなかなか目立つほうです。テストはいつも六十五点。跳び箱だって、三段も跳べます。縄跳びも前とび三十回くらいできます。50メートル走も10・7秒です。よく言われるあだ名は「ジミー」。結構気に入っています。僕の好きな人は、成績は常に一番。運動も容姿も抜群。その人にとっての僕の印象を前に友達から聞きました。
「何でも、自分ひとりではできなくて、恥ずかしいよね。でも、だからこそ、私がフォローしてあげなくちゃって思って。でも、最近になってあまりにも可哀想な人だって気付いてもう嫌いになったのよ。」って。トホホーン。僕は鼻を啜った。
そして今日、七十一回目の告白をしました。受験番号74番。佐藤裕人です。面接官の反応は……。
「……あ、はい。座ってください。(不合格でいいよな)」
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