葬送のフリーレン

 この作品は、『週刊少年サンデー』2020年22・23合併号から連載が始まって今でも連載中(※執筆時)の原作山田鐘人先生、作画アベツカサ先生の漫画が原作のアニメです。原作連載時の時点でかなり評判になっており、サンデーの最終兵器とも言われていました。なので、アニメも相当気合いを入れて作られております。これでヒットしなきゃ嘘でしょと言うほどに。


 その気合いが見事に視聴者に伝わって、2023年秋クール一番の人気になっていますね。サンデー読者の私も嬉しいです。ま、私はこの作品をスルーしていたのですけどね(汗)。

 あ、作風が苦手とかじゃないです。ただの読まず嫌いです。サンデーを読めない時期があって、その時に連載が始まったんですよ。やっぱり1話を読み逃すと敬遠しちゃうじゃないですか。


 原作を未読なのでアニメがアレンジされているのか原作通りなのか私は検証出来ないのですけど、この作品については考察動画を見て復習していますのでね。かなりアレンジ要素がある事は分かっています。原作を噛み砕いた上で更に深くアレンジしているその手腕は、流石ぼっち・ざ・ろっく! を稀代の名作に仕立て上げた斎藤圭一郎監督ですね。

 この考察については色んなチャンネルが行っておりますが、私のおすすめ考察チャンネルは『ミシマ.』さんのチャンネルです。


 https://www.youtube.com/@mishima3


 こちらのチャンネルのフリーレン考察動画はスゴイですよ。すごく丁寧に考察されていて、アニメ本編を数倍深く理解出来ます。興味のある方は、是非一度ご覧になってみてください。脚本の人そこまで考えてないと思うよレベルの深い考察がなされております。私は毎回チェックしておりますね。


 で、私の素人ショボショショボ感想に戻りますけど、最初が金曜ロードショーでしたよね。なので、異世界ファンタジーに無縁の人もたくさん見たようです。そこで例の『ファンタジーのお約束の意味が分からん現象』が発生しました。エルフって何? ドワーフって何? 勇者って? みたいなアレですね。やはり年配の人に多かったようです。

 ただ、こう言う流れを作れたのもフリーレンが面白かったからと言えます。だって興味なかったらスルーするでしょ。面白いから深く知ろうとする訳ですものね。


 物語の最初の方の流れはとても静かで、これは好き嫌いがハッキリする作品だなと思って見ていました。確かに金ロー放送時点では『フリーレン つまらない』みたいな言葉がネット上に流れていたりもして……。

 ですが、この作品は死者を悼む流れや思い出の大切さだけを訴えるだけのものではありませんでした。フェルンの魔法描写でその片鱗は見えていたのですけど、アクションもむっちゃ描写が凝っていたのです。金ロー放送時でもクヴァール戦がヤバかったのですけど、通常放送になってからもシュタルクが登場してからバトルがエグいことエグいこと。静と動を兼ね備えた稀有な作品ですよこれは。


 そして、名作に必要なのは息抜きのギャグ要素。鬼滅の刃でも善逸の存在がどれほど作品の雰囲気を柔らかくしてくれていたか。フリーレンの場合は、フリーレン本人がギャグ要員になっています。世界一の魔法使いなのに抜けている所はとことん抜けているのですよね。そこが愛しいです。バトルシーンがなかったらほぼ日常系アニメですもん。

 ギャグは人によって合う合わないがあるので、合わない人にはつまらなく感じる諸刃の剣ですよね。ただ、私にはガッチリ合いました。


 アニメのクオリティはむちゃくちゃ高いです。細かい所作まで計算され尽くされていますし、テンポも演出も素晴らしいですし、傑作ぞろいの2023秋クールの中でも頭ひとつ抜けていますね。キャラ崩れもないですし、もう究極で完璧です。

 一体どれほどの手間をかけて作られているのでしょう。このレベルのものが毎週タダで見られるなんていい時代になったものです。ブラボー!


 と言う訳で、この作品は原作ファンの人や異世界ファンタジーが好きな人にオススメです。良質な話を求めている人にもオススメ出来そうです。

 ただ、ラノベ的な転生モノでもチーレム作品でもないので、そう言うのを求めている人には向かないかな。

 私は毎週食い入るように見ておりますよ。最高に面白いです。

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