金の国 水の国

 この作品は『月刊flowers』で不定期連載されていた岩本ナオ先生の漫画が原作の映画です。私は原作未読なので、映画が原作通りなのか、アレンジされているのかは知りません。ネット辞書を読む限りでは、いくつかの変更点があるようですね。原作が1巻で完結しているので物語のカットはなさそう。想像ですけど。


 映画の話を一言で説明すると、仲の悪い2つの国が仲良くなるまでの物語です。そこで活躍するのが、砂漠の国のお姫様と緑豊かな国の青年なんですね。キャッチコピーは『高純度のやさしさに初泣き』と言うもの。実際、私も観ていてこみ上げてくるものがありました。

 原作が『このマンガがすごい!』(オンナ編)史上初の2連覇を達成したのも頷けます。実によく出来てます。良かったですよ。


 この作品の主人公2人は美男美女じゃないんですよ。だから、普段美男美女が主役の話は嫌だって言う人にも受け入れられるんじゃないかな。どうかな?

 あ、かと言ってブサイクではないです。作中にもっと美男美女が出てくると言うだけで、ヒロインのサーラもチャーミングですよ。おっとりを絵にしたらこうなるんんじゃないかって言うデザインですし、結構このタイプが好みの男は多いでしょう。私もその1人ですし。ヒーローの方のナランバヤルもお人好しでいい人です。頭の回転も早いですし、コミュ力が高い。機転も利く優良物件ですよ。


 最初から映画用に作られているだけあって作画のクオリティも申し分ないです。映画代分の価値はしっかりありましたね。浜辺美波さんも賀来賢人さんも声の演技がキャラに合っていて違和感もほとんどなかったですし。

 やさしい物語って登場人物全員がやさしかったりする傾向がありますけど、この作品ではしっかり裏で陰謀が渦巻いていて、危ない人はしっかり危ないと言うところも良かったですね。敵同士の国の話だから厳しさはあって当然なんですよ。


 この物語の特徴は、頭のいい人が多いと言う事ですね。洋画のファミリー向け作品でありがちな思慮が足りなくて足を引っ張る人がいない。お飾りと言われている大臣ですら頭の回転が早くて頼もしいんですよ。観ていて気持ちが良かったです。

 ラブストーリーでもあるのですけど、その辺りの展開も素晴らしかったです。主人公2人を応援したくなる事間違いなしです。


 と言う訳で、原作ファンの人や、キュンキュンしたい人にオススですね。やさしい話が観たい人や、幸せな気持ちになりたい人にも観て欲しいです。

 ただ、激しいバトルとか殺伐な展開が好きな人には合わないかな。映画のPVを見て合わないと思った人は観ない方がいいかもです。


 私はすごく楽しめました。とても良く出来た物語で、観て良かったですね。

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