ワンダーエッグ・プライオリティ
この作品は数々の実写ヒットドラマの脚本を手掛けた野島伸司氏が原案、脚本を手掛けるオリジナルアニメです。野島ドラマと言えば繊細で残酷な展開が特徴ですけど、このアニメも確かにそう言う流れになっておりますね。
アニメ制作はクローバーワークスで、質はとても高いです。この作品は可愛いキャラがハードなアクションをこなすのですけど、見事に描写しておりますし。背景も美しい。
背景の美しい作品はアニメ本編も素晴らしいの法則がまたひとつ実証されました。
物語は自殺した友達を蘇らせようとする4人の少女の葛藤の物語です。4人の少女にはそれぞれ蘇らせたい同性の相手がいて、エッグを提供する謎の2人の人物の口車に乗って精神世界で戦う羽目になります。そこで戦い続ける事で自殺した相手が蘇ると言う流れなのですね。
4人の事情は様々で、それぞれ思春期特有の悩みを抱えています。それを乗り越えていくのが作品のテーマですね。
メインとなるバトルなのですが、これは他の自殺少女のトラウマを、トラウマの原因となっている相手をその自殺少女の精神世界で倒すと言うもの。そのための武器もそれぞれの得意なアイテムで生成します。
このアニメを見ていると、ゲームのナイツを思い出すんですよね。精神世界での冒険とか、共通のモチーフがありますので。
少女達の自殺の原因は無理解な大人達です。お約束の性を食い物にするエロ大人とか、部活で生徒たちを支配下に置こうとするパワハラ教師とか。テーマが分かりやすくて助かりますな。バトルはギリギリで勝つパターンが多く、中々にハラハラします。しかも精神世界で大怪我を負うと現実世界に戻った時にフィードバックされてしまったりもしますし。大変。
物語は執筆時でほぼクライマックスまで来ているので、最大の敵が現れて4人が苦戦している段階です。彼女達が戦う事になってしまった理由も語られて、後はラスボスを倒すのみなんですけど、どう言う風に物語を閉じるのか固唾を飲んで見守るばかり。ちょっと広げた風呂敷が大きすぎるのでね。投げっぱなしにならないと良いのですが……(汗)。
野島脚本らしく心理描写とか残酷な展開とか流石としか言いようがありません。どんなに途中で平和なシーンが描かれていても、最後はやっぱそうなるようなあと言う物語終盤からのエグいシーンはノーストレス作品に慣れている人にはきついかも。私は最後が納得出来るならどんな展開も許容する派なので大丈夫ですけど。
キャラも可愛いし作画ブレもないので野島脚本がきついと言う人以外は楽しめるのではないでしょうか。確かにテーマは重いのですが常に重いと言う訳でもないし、アクションシーンはハラハラ・ドキドキで興奮しますしね。
そんな訳で私はとても楽しく見ておりますよ。オススメです。
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