放課後ていぼう日誌

 この作品は、月刊ヤングチャンピオン烈で連作中の小坂泰之先生の漫画が原作です。私は当然のように原作は未見。なので、原作との比較は出来ません。ごめんなさい。ただ、その作画クオリティとファンからの感想から考えて、再現度はかなり高いのではないかと思います。さすがは動画工房だぜ。


 この作品、アニメだけ見ていればきらら系にも見えてしまうんですよね。何故なら、作中ではほぼ女子しか登場しないから。展開ものんびりまったりで、多分原作がきららに連載されていても違和感ないんじゃないかと思います。原作未読ですけど。

 そんな原作は、釣りマニアも納得の釣り描写も特徴のひとつなのだとか。きっと作者が釣りをお好きなのでしょうね。そんな釣りが大好きな気持ち、しっかりアニメにも反映されております。


 作品の魅力はしっかりとした釣り描写もそうですけど、個性豊かなキャラの可愛らしさも当然魅力です。だらしないけどどこか達観している部長に、漁師の娘で釣り以外でも色々と頼りになる無口な大野さん、元気娘の主人公の幼馴染のなつちゃん、そして手芸が趣味の主人公の陽渚ひなちゃん。堤防部4人の個性豊かなキャラが単調な釣り描写を楽しいものにしてくれます。


 作品は創作物らしく、陽渚ちゃんがビギナーズラックを出し過ぎなところだけはリアルからかけ離れていますが、それ以外は本当に凄くリアルです。まず、物語の舞台が実在の場所である事、キャラもその地域の方言を使っている事、舞台が実在の場所と言う事でちゃんとその場所の描写が正確な事、釣り作品なのでその場所で釣れる魚の情報も正しい事、釣具や釣りの作法も当然正確な事……。


 見れば見るほど作り込まれている事が分かります。それでいてしっかり面白いのですから、ある意味奇跡の作品ですよ。そう言う作品を見事にアニメ化したアニメスタッフも相当に優秀です。


 ゆるキャン△でソロキャン人気に火がついたように、この作品で釣りを始める人も増えそうな予感がします。漫画のヒットの方で既に釣りを始めた人も多そうですよね。

 唯一現実的じゃないのは、その釣り場には多分女子高生はいないと言う事くらいでしょうか(汗)。キャンプ場でもソロキャンをする女子高生はいないでしょうし、そこはまぁ、しゃーない。


 このていぼう日誌、すごくオススメの作品なのですが、昨今のアレで3話で放送がストップしております。どうやら、7月から仕切り直して1話から放送を再開するのだとか。そう言う意味で言えば、春アニメでありながら夏アニメでもありますよね。どうか今度こそ最後まで放送されますように。


 釣り好きな人も、釣りに興味のない人も、まずは1話を見て欲しい作品です。釣り好きの人は釣り描写のリアルさに、興味のない人は釣りの魅力に気付けるかも知れません。とても面白い作品ですので、未見の人で興味を持った方は7月からの放送を楽しみにして欲しいと思います。

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