日本人クレームに配慮し過ぎ説

 少し前の話題になるのですが(※執筆時)、消防団の人が消防の服のまま食堂に入ったらクレームを受けたって言うのがありましたね。それで作業服のまま入る事は遠慮してくださいって言う配慮しちゃうんですよね、日本の場合。

 この話題は日本中をあっと言う間に駆け巡って、ウチでは優遇していますよ! ってお店が出て来たりと一時的に盛り上がりました。


 この例だけ挙げてもそうなんですけど、日本人てクレームに対して配慮し過ぎな気がします。コンビニ店員が土下座させられたりとか……強気に中々出られないんですよね。大きい声に迎合しがちのような……。


 最近(※執筆時)ではこう言うお客さんを入店させないでってクレームに、あなたこそ来ないでくださいって返したやり取りが美談のように語られていました。

 これが美談と言われる内はクレームに負けない社会の到来は遅そうです。まずこれが当然の社会にならないと。


 日本人はトラブルが起きると、まずは自分から頭を下げてその場を収めようとする気風があります。謝る文化が形成されていて、それが無意識に出てしまうんですよね。

 この性質がいつから醸成されたものかは分かりませんけれど、そのせいでクレームに屈する社会になってしまったのではないかと思うんです。まさにNOと言えない日本ですナ。


 お店の場合はそれプラス『お客様は神様です』の間違った認識が浸透してしまって、更に消費者側が増長する結果に……。


 本来お店側と消費者に上下関係はありません。サービスが欲しい消費者とサービスを提供したいお店がその金額で取引を交わすと言うだけの話です。迷惑なお客様には帰っていただくのがお店側の権利です。今までお店側が毅然とした態度を取らなかった結果が現状を作っていると言ってもいいかと思います。


 勿論、理不尽でない訴えならば聞いた方がいい場合も多いでしょう。その声を参考にしたところ売上が上がったと言う美談もあるかと思います。

 しかし、そう言うまともな訴えと理不尽なクレームは全く違います。相手を気遣うにも限度はありますし、しっかり聞き分けて、何でも言う通りにしてしまうと言うのは止めた方がいいと思います。


 昔はクレームを大切にしろなんて言う話もありましたけど――今はもうそんな時代じゃありませんね。配慮が行き着いた結果が今のサービス業のレベルですから。これ以上を求める必要はないです、本当。

 高級なサービスを求めたいなら高級なお店を利用してください、って言う話ですよ。そう言う社会に早くなって欲しいですね。


 理不尽なクレームに耐えている店員の皆さん、いつもお疲れ様です。私もクレームとか言わないように気を付けて利用したいと思います。

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