SS 終わったと思ったら、まだ終わりじゃ無かったと言う話
ジュディス、シャイナと続いて、カレンのお相手まで無事に終えたシュリは、身体を軽く流してから湯船でのんびり身体を伸ばしていた。
は~、終わった終わった、と油断しきった顔をして。
「お風呂はいいなぁ……湯船につかる文化って最高だよねぇ……こっちの世界でもお湯に思う存分浸かれて幸せだぁ……これで、温泉とかあったら最高なんだけどなぁ……」
ぼへ~っと緩みきった至福の表情で、お風呂を堪能する。
どうでもいいような言葉を垂れ流しながら。
「シュリ様は、お風呂が本当にお好きなんですね。そんなに気持ちよさそうな顔をして……お可愛らしい……ささ、私のお膝へどうぞ?」
いち早く水着を脱いで湯船に滑り込んできたジュディスが、シュリの身体を引き寄せて自分の膝へと座らせる。
一人でのんびりお湯を楽しみたかった気もするが、ジュディスに抱っこされようとされなかろうと、お湯の気持ちよさにかわりは無いので、シュリは素直に抱っこされている事にした。
ここで抵抗しても、どうせ離してもらえないだろうし。
シュリはジュディスの肩の辺りに頭を預け、はふぅと気持ちよさそうな吐息をもらす。
ジュディスの胸の先っちょが背中を絶妙にくすぐるのだが、気にしたら負けだと、意図的にまるっと無視したままで。
固く尖った先端がシュリの背中とこすれて気持ちいいのか、抑え気味の甘い声が背後から聞こえるが、それも気にしない。
もう一度言うが、気にしたら負けなのだ。
指摘してもいけない。指摘したら最後、強制的に桃色空間へと連れ去られてしまう可能性大、だから。
こっそり(?)発情しているジュディスのお膝の上で、お行儀良くお風呂を楽しんでいると、すぐ隣にシャイナが滑り込んできて、ぴとっとシュリにくっついてきた。
「気持ちいいですね、シュリ様」
「ん~、最高だね~~」
ぽや~っと答える。
右手がシャイナの胸の谷間に思いっきり吸い込まれているが、そのことには一切触れずに。
「シュリ様、本当に気持ちよさそう。可愛いです」
耳元で囁かれる。
そのまま耳たぶを甘噛みされて、背筋を心地よい刺激が駆け上る。
「ふぁっ!?……コホン。いっ、いやあ、お風呂って本当に最高だなぁっ!」
思わずいけない声がちょっぴり漏れた。
咳払いをして、お風呂を賛美して何とかごまかす。
大丈夫だよね、誤魔化せたよね、と横目でシャイナを見たら、うっとりとこっちを見つめていた彼女とばっちり目があってしまった。
にっこり微笑むシャイナを見て、うん、誤魔化せてないな、とシュリは頭をぐりんと反対側に向ける。
するとちょうど湯船に入ってきたカレンと目があった。
彼女はにっこりとシュリに微笑みかけ、肩までしっかりお湯につかると、心地良さそうな吐息をもらした。
「ほんと、お風呂って気持ちいいですねぇ」
「でしょ!?良いよねぇ。お風呂。最高だよね??」
カレンの貰した言葉に勢いよく食いついて答えるシュリ。
カレンはそんなシュリを横目で見つめてクスリと笑い、
「私も実は、お風呂好きなんです。シュリ君には負けますけど。兵舎にも浴室はありましたけど、ここほど立派では無いですし、時間で分けてはいましたけど男女共用で、落ち着いて入れませんでしたからねぇ。シュリ君専属になって、このお屋敷に住み込むようになって、すっかりお風呂の良さにはまりましたね~」
「ね~、いいよねぇ、お風呂」
「まあ、貴族の屋敷で勤めたからといって、お風呂に入れてもらえることはほとんどないって聞きますけどね。こちらでは、ご家族の皆様の入浴が終わった後であれば、使用人にも開放して頂けるので、ほんっとうにありがたいです」
「そっかぁ。そうだね~。お風呂って贅沢品だもんねぇ。僕もちっちゃい頃は、そう言えば家にお風呂なんて無かったし。庶民の家庭ではそれが普通だもんねぇ」
絶え間なく刺激を与えてくる、背中と右腕に押し当てられた膨らみを意識しないようにしながら、カレンとの会話を楽しむ。
よしっ、このままならなんとか妖しい雰囲気に飲まれずにお風呂タイムを終われそうだぞ、と思っていたら、すっとカレンの手がシュリの頭に伸びてきた。
その指先が優しく髪をくすぐり、その中からにょっきりと生えている猫耳を触る。
「猫耳、ちゃんとまだ出しててくれてるんですね?ありがとうございます」
「ん?ああ、忘れてた。そう言えば、耳もしっぽも出しっぱなしだったねぇ。もう必要なさそうだし……」
しまっちゃおうかな、そう呟いたシュリの猫耳をカレンの手がやんわりと包み込む。
絶妙な力加減で刺激される猫耳は、しっぽほどでは無いがやはり敏感ではあるようで、なんだか背中がぞくぞくした。
「しまっちゃうんですか?ダメ、ですよ?これから必要になるんですから」
熱っぽい眼差しをシュリに注ぎ、うっとりと微笑むカレン。
「ん?これから必要って??」
可愛らしく首を傾げるシュリ。次の瞬間、背中を這い上がる気持ちよさに、思わず身体を震わせた。
え?なんだ??と改めてカレンに目を向ければ、彼女の手が優しくシュリのしっぽを捕らえているのが見えた。
「か、かれん??」
「これの秘密、私もジュディスさんとシャイナさんに教えて貰いました。まだ味わっていないのは私だけなので、今日は私から、頂いちゃいますね?」
「頂いちゃう……って、なにを……?」
「んもう、決まってるじゃないですか♪シュリ君の、この可愛らしいしっぽを、ですよ」
言いながら、カレンがしっぽの先をちろりと舐める。
その瞬間、また背中をぞくぞくが駆け上り、シュリはこらえきれない吐息をもらした。
それをみたカレンの唇が柔らかな弧を描く。
「だ、だからね?それは、そう言う風に使うものじゃないって……」
「でも、シュリ君も気持ちいいですよね?で、私達も気持ちがいい、と」
カレンが無邪気に答え、
「なら、何にも問題はないんじゃないでしょうか?それに使い方なんて、使う人次第でいかようにも変えられるものですし」
ジュディスがきっぱりと言い、
「私は今まで二度ほどその子に可愛がって貰ってますが、素晴らしかったですよ?だから、もっと自信をもって大丈夫ですから!」
シャイナが妙に勘違いした言葉でとどめを刺した。
「だ、だからぁ。自信が無いわけでも何でも無くて……」
シュリが反論を試みるが、
「「「今日は順番に、(私達が)満足するまで可愛がって下さいね♪」」」
その反論は、キレイにそろった三人の声に哀れにもかき消された。
(あ~……やっぱりこうなるのかぁ)
諦め混じりにそう思う。
だが、仕方がない。しばらく放置しちゃったツケである。
責任をとれるのはシュリしかいないのだから、シュリがとるしかないのだ。
シュリは男らしく、覚悟を決めた。
ジュディスがシュリを抱いたまま湯から上がり、カレンはいそいそと、さっきの妄想赤ちゃんプレイでも活躍したお風呂場マットを敷いている。
(なるほど~……あのマットがベッド代わりかぁ)
きっとこっちの目的の方がメインなんだろうなぁと、ちょっぴり遠い目をするシュリは、ジュディスの手で連行され、そして。
シュリに飢えていた三人に、とってもおいしく頂かれてしまった。
まあ、出るものは出ないので、搾り取られるという表現にはならないだろうけど、次の日のシュリは疲れと寝不足で、妙にアンニュイだったらしい。
逆に、大満足の三人は妙にツヤツヤして、同僚達に色々勘ぐられ、それはそれで大変だったようだけど。
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