第13話 ヤバイヤバイチョーヤバイ




 ネットで「子供のボキャ貧が深刻化」と言う趣旨の記事を見た。



 いわゆる「最近の若い奴は……」と言う奴である。



 紀元前に作られた古代エジプトの遺跡には、同じ趣旨の事が書かれた石碑があるそうなのだけれど、そもそも「語彙の貧弱」を「ボキャ貧」と言っている時点でどうなのだろう。



 相手に応じて言葉遣いを変える事が出来ない子供が増えているそうなのだけれど、基本的な事を言うならば、それは親の教育の問題であって、子供自身に問題がある事ではないだろう。

 

 主語がないと嘆く人がいるのだけれど、そもそも小学生くらいの子供が言う事であって、理論整然と話す小学生がいたら、それはそれで親の教育の賜なのだろうが、そんな子供が幸せかどうかは別の話だろう。



 あまりにバカすぎるのも問題があるのかも知れないが、普通に育てば生活に支障のあるレベルになることなんて無いはずだ。



 もしあるとするならば、それは親に問題がある場合がほとんどで、さらにその親に問題があり、その上の親にも問題があったのだろう。



 負の連鎖である。



 普通と何が違うのかとすれば、この手の親は「子供の事」を考えていない。



 怒るにしても、褒めるにしても(ほとんど無いだろうが)、考えるのは自分のことである。

 優先順位があって、自分一番、子供二番と言う親はまだマシな方であって、優先順位なんてモノは存在していない親もいる。



 そんな親を人は「毒親」と呼ぶのである。



 子供は将来的に自分が年老いた時に面倒を見てもらう存在であり、裕福な老後を過ごしたければ、金をかけて子供を教育するだろうし、何も考えていなければ子供をあてにして生きるだろう。

 幸せな老後を迎えられなければ、それは子供のせいになる。



 そんな親に限って言うのである。



 「育ててもらって、親の面倒もみれないのか」



 つまり、他人のせいにするのである。



 そんな中でこんな意見が出てきた。



 「子供のボキャ貧はLINEなどのSNSの影響である」



 アニオタが事件を起こせばアニメのせい。

 幼女が誘拐される事件が起きれば、オタクは性犯罪者予備軍。

 

 世論というのは外国人を中傷する行為が起きれば、ヘイトであると叫び、法律で規制せよと叫ぶが、事件を起こしてもいないアニオタが、事件を起こしたアニオタと同じ嗜好であるからと「犯罪者予備軍」と呼び、規制、規制と叫び、どう見ても日本より犯罪発生率が高く、未成年者の性犯罪被害者が多い海外の国々に「日本はポルノ大国、規制せよ」と的はずれな中傷をうけ、政府は法に則ってすでに規制していると答えても、マスコミは海外の国々方が正論であるように報道し、



 「おまえが言うな」



 とは言わないのである。





 何でもかんでも「ヤバイ」で済ます若者がいる。

 それはそうだろう、そんな子供を育てた親も「ヤバイ」を連発しているような親なのだから。

 全体から見れば、それはごく少数であると思うのだが(少なくとも身近にはいない)、今の御時世、少数の人間の声が大きく聞こえる時代である。







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