虚ろの者
ヒトが魔法を行使するようになり、いくばくかの時が流れた。
神の力に愛されし者が造り上げた王国も栄華を誇り平和で穏やかな日常を送っていた。
ある時、世界に歪みが生じた。
歪みは日を追うごとに大きく、数を増していった。
ある程度の大きさになった歪みから、世界へと侵攻を開始した者達がいた。
歪みから出て来た者達は皆、生気を感じられない外観をしており、ヒトはその者達を虚ろの者と呼んだ。
その者達の目的は、五柱の神が残した力を手に入れる事。
その力をもって、数多の世界を手中に収めようとしていた。
世界に生を受けた者達は、己の世界を守る為に外界からの侵略者を迎え撃った。
ヒトは己が造り上げた道具、そして神の力の一部である魔法を駆使して闘った。
対して、虚ろの者は己が体を変化させてヒトへと襲い掛かった。
しかし、虚ろの者の真の恐ろしさはそれではなかった。
虚ろの者は歪みから奇襲を仕掛け、歪みへと戻ってヒトの攻撃を凌いだ。
歪みの向こうへはヒトは通れず、魔法さえも届かなかった。
歪みに逃げられてしまえば、ヒトに為す術はなかった。
虚ろの者達により、ヒトの数は確実に減って行った。
神の力に愛されし者も奮闘をし、多くの虚ろの者を歪みの向こうへと押し返したが彼女の力をもってしても虚ろの者達の進行を止める事は出来なかった。
このままでは、世界に残された神の力は虚ろの者達に奪われてしまう。
世界が絶望に包まれようとしていた。
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