第21話 僕は混乱した
アデライドのごつい体にリボンが絡んでいくのです。
それは非常に気持ち悪いはずなのだが、ぎゅるぎゅるとその体がしぼめられ、何ということでしょうか。
彼の体が本当に縮んで、キュッと小さくなっていくのです。
筋肉プルンがなくなり、どちらかというと女の子のような曲線を描いていくのです。
何ということでしょう。これは確実に魔術というよりも魔法。それも非常にメイク〇ップしていく姿なのです。
小さく縮んでいく体に目が開いた瞬間、それはまさに女の子のような長いまつげ。線の細さが儚さのような姿でありながら、レオタードのようなものを着こんで、背が低くなっていくのです。
あれれ、これはどうしたことでしょう。その姿はどこか中学生のような低さ。けれども胸がそんなにへこまない。
トランジスタグラマーという姿なのでしょうか。
そして、髪の毛はくるくるとシニョンにまとめられ、白いうなじを見せながらも赤い瞳と儚さを見せる太くない腕は華奢な印象を見せています。
服もどちらかというと、僕の服装を思わせるフリフリの服を着ているのですが、とてもよく似合っているのです。ピンク色の髪質はふわっとしていて、まさに魔女っ娘なのです。
パチンとウィンクをするハシバミ色の瞳とくりっとした二重瞼もキュートです。
これは非常にあざといのです。
そして、最後にくるっと回したステッキを上に投げる。綺麗に上回転しながらし、放物線を描くステッキを彼女は右手で受け取る。
「何ということでしょう。これは変わりすぎなのですッ!」
「うん、それはまずミズキの言葉も変わりすぎて、まあ、混乱する気持ちはよくわかる。非常に私も驚いている」
「どうかしていましたか? 僕」
「まず、言葉が非常に説明口調で気持ちが悪いのだが、気持ちは悪いのだが、非常に動揺するほど、アデライドの体が変わりすぎている。正直私も驚いている。どれだけ、メイ〇アッ〇されたのだと。セーラおっと」
口をふさぐアンリさんは息を止めた。
「あ、危なかった。私も混乱しすぎて、変な言葉を口走りそうだ」
ということらしい。僕には理解が全然できない。
「どんなもんだい。これ、お姉ちゃんに渡そうと思った魔女っ娘幼女用バージョン養成ステッキなんだけど、役に立ったみたいだね」
どれだけ酷いものを用意していたのかがわかりまして、非常に悲しくなりました。
あれを僕に使われていたとしたらどれだけ、僕の大切なプライドが奪われていったのか。想像したくもない。
「こ、これすごいわね」
アデライドが初めてその幼女(胸おっきい)、魔女っ娘フォームでの言葉を話した。
あざといほどにハイトーンの声。確実に声優やれたら受けそうな声だとは思う。
「うん。これは声優もいけそうな声だな」
「同じこと思いますか? アンリさんも」
「そうだな。これは触手に襲われそうな幼女のアダルトな声もいけると思う。低価格な同人ゲームのサンプルとか、いそうな気がするあざとさ」
「それ以上はストップです」
「素直な感想を言っているだけなのだが」
腕を組んでかっこよさそうなポーズをしているはずなのに、この駄竜は何を言っているんだろうか。
「ううっ、負けた。ヤケ酒よっ」
何でもいいからルディアはヤケ酒を飲みたいだけだと思う。
「次は美青年というのを用意しているので、飲め」
「おおっ、アンリ! 今度は新しいのを用意していたのね! うれしい!」
と言いつつ飲む姿はいつも通りなので無視をしておきたい。
多分リバースとかやりそうなので、見ない方がいい。
「えっへん。私の力はすごいの」
恐らくは母さんから借りてきたステッキの性能が良いだけで、芽衣子の力ではない。
「何その顔。嫉妬しているのかな?」
「何でもないよ」
「非常に生暖かい目。同情している目。うわああん、何かお姉ちゃんが私をいじめるぅ」
「よしよし、私が慰めてあげるわ」
というロリっ子になったアデライドと同じく幼児体形の芽衣子の姿は姉妹のように思える。
「ただし、胸囲の格差がな」
アンリさん、何でそういうことを言うのかな。芽衣子がすねちゃう。
ぐずっている芽衣子はうん、気づいていない。
「師匠よかったわね」
ガザックが男泣きをしている。
まだ、こちらは男のままらしいが何となくほっとするのは何故だろうか。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます