初めての育児編
猫との暮らし
ここからは初めての育児で思い出すことを、書いてみたいと思います。
我が家には当時、三匹の猫がいたので、必然的に息子は生まれたときから猫と暮らすことになりました。
ただ、退院して二週間ほどは、夫の実家にお世話になっていて、その間は息子のいる部屋に猫を入れないようにしていました。
これは夫の甥が猫アレルギーで、姑がちょっと神経質になっていたためでした。
寝返りも打てない新生児ですし、猫の毛などを考えると確かに避けておいたほうがいいかもと思い、アパートに戻るまでは対面させませんでした。呼吸を妨げる事故も怖かったのもあります。
しかし、狭いアパートに戻ればそういうわけにもいきません。
三匹の猫たちは実家では扉の向こうで「向こうに何かがいるわ」と、興味津々でした。「私も入れてよ」とにゃあにゃあ鳴いていたのですが、アパートで息子に対面したときは目をまんまるにしていました。
長女の『
次女の『
そして三女の『
もっとも、この猫は私にべったりなので、必然的にいつも一緒にいる息子とも一緒になるわけです。
でも、決して爪は立てず、ぴたりと寄り添って寝るけれど、顔の付近には近寄らず、沐浴があれば私の背後からあんなに嫌いな風呂場に顔をつっこんで心配そうに鳴きながら様子を見守り、息子が風邪気味でお風呂に入れないと髪を毛繕いで綺麗にしてやり……。実際には育児は何もしないけど、乳母みたいでした。
これを書いている現在、息子は一歳を過ぎましたが、凪は相変わらず息子と一緒にいて、息子も私が別の部屋にいても猫がいれば気が紛れるようです。
夫よりも息子と一緒に猫がいます。育児というのは『猫の手も借りたい』ほどやることがたくさんありますけれど、実際には借りられません。けれど、そばにぬくもりのある誰かがいてくれる安堵は、彼らの肉球のついた手が差し出してくれている気がします。そしてそれはある意味、母の私といる感覚とはまた違うものかもしれません。
ただ気になるのは、息子は『姫』とは言えるけれど、まだ『凪』とは言えないところ。というか、車も、動物園のライオンも、犬も、テレビに映るマツコ・デラックスも、気に入ったものはすべて『姫』と呼んでしまう。言いやすいんでしょうね。
一番お世話してくれたのは凪なので、そろそろ『凪』と呼んであげてほしいところです。
息子が1歳を過ぎてから、7月2日に4匹目の猫を家族に迎えました。
生後3ヶ月の黒猫『
まだまだ子どもなので、息子がぬいぐるみを投げると犬のように駆けてじゃれつくんです。息子はそれが面白いらしく、きゃっきゃと一緒にはしゃいでいます。よく天と一緒に遊び疲れて寝ています。
天はまだ子どもで加減の仕方を他の猫から学んでいるところですが、息子が顔を近づけても、押しても、本気では怒らないんですね。兄弟というか、遊び相手だと思っているんでしょう。
もふもふした姉たちのほうも、息子に攻撃したことは一度もなく、そっと寄り添ったり、見守ってくれます。
息子も外出先から帰って、猫を見ると安心するようです。むしろ、自分を猫だと思い込んでいるような節もあって、カーテンによじ登る凪を「うわぁ」と感嘆の声を上げながら目を輝かせて見たり、一緒にゴミ箱に入ってみたり、床にすりすり体をこすりつけてみたり……。
将来、彼が大きくなったとき、猫との暮らしをどう感じていたか、きいてみたいところです。
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