今すぐ大和撫子になる方法〜姿勢と顔の向き

 着物を着ているとわかるが、着物を着て、背中を丸めたり、大股歩きしたりはできない。なので、大和撫子になりたいなら、できるだけ着物を着るのが正解。


 しかも、楽な自分流に着付けるのでなく、きっちり伝統的に着ないと意味がない。


 女性の着物姿を見慣れている人なら、わかると思うが、きっちり着ていない着物はむしろ、いやらしい。俺の知っている男が、趣味で、普段に我流で着物を着ている彼女に、”花魁のように着物を着るな、見苦しい”と言ったが、言い得て妙だ、と思った。その通り。


 女性にとってはグサリとくるかもしれないが、男というのは本当に正直だと思う。しとやかな着物のはずが、むしろ淫乱に見えるとは。着物の場合、足首が階段を上がる時にチラリと見えるだけで、なまめかしい。


 着物は、きっちりした着方を身につけるとして、着物でない場合も、その感覚を忘れないように。顎は引いて、背筋は伸ばす。当たり前だが、座っている時に、足の膝小僧がくっついてない女が多すぎる。着物とまでは言わないから、せめて、普段からスカートを履け、スカートを!


 顎が上がっている女は、自分がいつも偉そうに見えることを覚悟すること。大口開けて笑わない。笑い方が下品な女だと、一緒にいて本当に後悔する。一度だけ、男で、こいつとは距離を置こう、と思った男がいる。医者だったが、嬉しい時の笑い声が、


”ひひひ”。


 ちょっと我慢しがたい。イマドキ漫画でもそんな描写は、変態くらいだ。


 ちなみに、顎を引いて少しうつむくと、大体の女性は綺麗に見える。綺麗に見えるというか、もっとよく見たい、という気にさせる。大和撫子は実際は芯が強いかもしれないが、恥じらいがあり、可愛らしい。楚々とした美しさは、派手派手しい洋風の花にはないような趣に満ちている。俺はちなみに、オダマキやスミレ、すずらんなども好きだ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る