新説 アタルヴァ社の野望
@force
開始前
アタルヴァ社
アタルヴァ社。
それは、小説並びアニメ『ログ・ホライズン』において大規模MMORPG<エルダー・テイル>の運営会社として知られている。
<エルダー・テイル>。サービス開始から恐らく事実上のサービス停止である<大災害(謎の異次元からの干渉による、プレイヤーの集団次元移動事件)>まで20年という長い運営機関と日本において100万人、世界中で1000万人という桁外れのプレイ人口を維持しており、それらを有料のサービスで賄っていた。
<ハーフガイア><セルデシア>と呼ばれる現実世界の距離を半分にした巨大な世界で冒険を行っていた。
しかし、この世界の基礎を作った人間についてはわずかな事しか語られていない。
これは<エルダー・テイル>を運営する13の会社と14のサーバ。
長い年月を支え続けてきた数十万人の社員達。
それらとつながりを持った、関連会社や企業。
これはその歴史の物語である。
大災害当日:12番目の拡張パック『ノウアスフィアの開墾』
2年前:11番目の拡張パック『錬金術師の孤独』
3年前:10番目の拡張パック『夢幻の心臓』
4年前:9番目の拡張パック『サンドリヨンの遺産』
6年前:8番目の拡張パック『永遠のリンドレッド』
8年前:7番目の拡張パック『炎の贈り物』
10年前:6番目の拡張パック『覇王の野望』
11年前:5番目の拡張パック『ムーンクレスタの宝珠』
13年前:4番目の拡張パック『Maze War』
15年前:3番目の拡張パック『銀のオデッセイ解放』
16年前:2番目の拡張パック『決闘者の栄誉』
18年前:最初の拡張パック『黎明の偵察者』
20年前:<エルダー・テイル>販売
23年前………<ニュー・リアル>完成
それの少しあとより、物語は始まる。
大災害より22年前……アメリカの小さなオフィスビル……。
「<ニュー・リアル>だって?」
「ああ、見てるだけのゲームなんだが、なかなか面白いぞあれは。」
そこには小さな世界に無数の人々が生活をしているだけの小さなミニスケープゲームだった。
ヒューマン、エルフ、ドワーフ、アルブとよばれる4つの種族が小さな世界で生活をしているだけのゲームであった。
「……………小さな生活圏で動いている存在を見るだけのゲームかよ。」
「いや、アンケートシステムがあって、それによって世界に干渉できるらしい。」
そう言いながらその男はアンケートフォームを呼び出す。
そこには英語で書かれたアンケートが書かれていた。
「何々……皆様はこの世界に何が必要だと思いますか? どのような人材が必要だと思いますか? どのような職業が必要だと思いますか?」
「…………なんだこのアンケート? 無料公開ゲームにしちゃ凝りすぎてないか?」
男はそう言いながら、その村の様子を見る。画像的にはそれこそ目を見張るところはない。だが……。
「……………なかなか面白いじゃねえか。」
「仕事しろよ。」
「…………いや見てるだけで面白いんだよ。」
そう言いながら、その男は仕事を開始する。
「……………。やっぱり気になるな。」
そう言いながら男はその画面を覗き見る。
「………一体何を考えているんだ? このゲームの作者は?」
「学生が作った、シミュレーションゲームらしいな……結構面白いぞ。」
そう言いながらも、その男たちはそのゲーム画面にくぎ付けになる。
「ソースは公開されてるが……ここまでしっかりしているって何を考えて作っているんだ?
かなり重いぞ。」
「このグラフィックでか?」
そう言いながら、その男は顔をしかめる。
「NPCに色々と本格的な判断システム組み込んでるからな……こっちの方がかなり本格的だぞ………。」
ワイワイとやっていると、1人の男が彼らの方に近づいてきた。
「だったら、彼に話をつけてこないか?」
「社長!!」
「これだけの物なんだ。ソースを利用させてもらえば、色々とできそうだしな……その学生を雇ってもいいだろう。」
「まあ、これだけの物を作れるプログラマーなら、それなりにできる人物だろうし。」
この時のアタルヴァ社は、それこそ社員数40名の小さな会社であった。それがまさか一気に巨大化し、全世界レベルにまで発展するとはこの時はまだ誰も思っていなかったのであった。
「じゃあ、ちょっとメールしてみるか。」
そう言って社員達は掲載されているフォームに質問を打ち込んだ。
何度かのメールでのやり取りをした後、その人物と直接出会うことになった。
「山吹 原子と言います。よろしくお願いします。」
その人物を見て担当者はびっくりすることになる。彼女は女性。
黒髪のたれ目気味の日本人なのだろう。留学生と名乗った彼女の名刺を見ながら、その人物の雰囲気を見る。
この出会いが大人気ゲーム<エルダー・テイル>を作ることになる。
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