第18話笑わない少女と血盟兵器
大きな破砕の音に大慌てで飛び出してきた『バルバロイ・アックス』の面々。
本来は安全であるはずの砦内であったためだろう、全員盾以外の防具らしい道具をを装備していない。
「なんだっ? 敵襲!?」
「あ、あいつたしかマキナって女じゃ!?」
私に気付いた彼らは戦闘態勢に入る。
『ほう、なかなか素早い対応じゃねえか』
レベルも全員100超えばかりだしね。
八人いる内の六人は纏まってフォーメーションを組む。彼らは普段から同じパーティーなのだろう。
大楯を持った男が前衛二刀持ちがその背後に隠れるように位置取り、さらにその左右に二人が配置する。
フォーメーションを組まなかった残りの二人は、物理後衛職らしく近くの遮蔽物に身を潜ま弓を構える。
その動きを一瞬で終えた後、大楯を構えた
それに合わせて
「
ご丁寧に追尾能力付きのヤツとは。
ならば……
「
迎撃には同じ魔法で対応する。
しかし。
「『
「おおおおっ!『
スキル使用による淡い発光に包まれた大楯が私に迫る。
その大楯を、私はたやすく斬り裂いた。
「は?」
ありえないことに呆然とする
『
間抜け面を晒している二刀流の
「くそがああああああっ!」
吹き飛ばされても倒れなかった大楯を失った
さらに物陰に隠れていた二人からの矢が迫る。
「
飛び道具への絶対防御の魔法で矢をそらし、私の攻撃を受け止めようとした男の剣ごと切り伏せる。
「くそっ! 後衛っ援護どうした!?」
矢以外の攻撃がこない事に疑問を持ったリーダーだろう男が吠えるが、魔法で援護するはずの
いえ、出来ないでしょうね。
その心臓に
「いっいつの間に!?」
当然、
最大八本に複製を作れる
絶え間なく矢の援護が飛んでくるが魔法で守られた防壁を抜けてくることはない。
敵を前にして背後を晒した三流の男の首をはね、物陰に潜んだ二人を遮蔽物ごと
さて、残るはダイスとあと三人か。
ダイスがレベル210。 取り巻きも200近いレベルね。
『ほう、
カリヴァーンの言葉に頷きながら、私はその場を動かずダイス達を待つ。
しばらくすると砦の中から三人が姿を現す。
「……まさかうちが壊滅寸前とはな。それもたった一人にだ」
こちらを憎々し気に睨み付けるダイス。
強く噛みしめられた歯は今にも砕けそうだ。
ダイスはその
「……これで手打ちにしないか?」
突然の事実上降伏宣言に等しい事を言い出したダイスに取り巻き達が食って掛かる。
「盟主っ!? なんでそんなことを!」
「こんな
「その
そのダイスの一喝に言いよどむ取り巻き。
「どうだ?」
再び尋ねてくるが……
「お断りよ。第一あなたそんなつもりないでしょう?」
ダイスは最初、無表情だったが段々楽しくて堪らないというように笑いだした。
「クククッ! やはりばれてるか! まあいいやれっ!」
その掛け声と共に、砦の上部の張り出した部分に反応があった場所から巨大な
なにかと思えば、
なっ!? 私は
魔法が発動しないっ!?
私に向かって
この砦は
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