第16話笑わない少女と殲滅戦
闇夜に走る一閃。
それが、その場にいた『バルバロイ・アックス』
驚愕の表情のままのその首が地面に落ちる時、すでに私はいない。
深夜の森。そこに4人の冒険者の死体が崩れ落ちていた。
一週間ぶりに冒険者ギルドの扉を潜る。
私を見たギルドにたむろしていた冒険者がざわめく。
皆『バルバロイ・アックス』との
大規模
当然騒ぎになるだろう。
私は真っすぐセナさんの所へ。
「マキナさん、どうしました?
それには答えず討伐部位の
常駐依頼なら依頼を受けていなくても討伐部位を提出するだけでもよかったはずだ。
「これは……
セナさんが引きつった顔でそう言ったので頷いてやる。
「
と、そこまで言って声を潜める。
「『バルバロイ・アックス』の
「会ったわよ? と言うより始末したけどそっちも問題無いわよね?」
そう言えばセナさんは絶句していた。
その後セナさんは動揺しつつも終了処理を終えたのでカウンターから離れる。
その後掲示板へ向かい、これ見よがしに
セナさんの方は人が並んでいたので今度は別のカウンターで受注処理をする。
その受付嬢はあまり関わりを持ちたくないのか言葉少な目な対応だった。
まあそっちのほうが楽でいいのだけど。
昨日、深夜まで粘って出てくるのを待っていたけれどあれは失敗だったわね。
今回はもう少し分かりやすく餌をまきましょうか。
私は尾行してくる彼らを引きつれながら街を出る。
街から出る間に
そしらぬ顔で森の奥まで入る。
ふむ、10人ほど前に回り込んだみたいね。
『よう。どうやら俺様の出番らしいな?』
ふいに
こいつまた勝手に……
何時の間にやら腰にぶら下がったカリヴァーンが呑気に鼻歌を歌っている。
鼻歌を歌う伝説の
私はあきれながら足を進める。
やがて。
『お! 仕掛けるようだぜ?』
包囲網が完成したのだろう。一斉にこちらに向かってくる。
私はストレージから
『ヤイヤイ! 俺様がいるのにその駄犬を使おうとするとは何事だっ!』
私はあきれながらも
「忘れているようだけど、私に
『んなもん俺様を持ってればスキルなんざいらんだろうに』
たしかに、カリヴァーンを持つと
私のようなスキル無しでも達人クラスになるほどの。
まあ、森の中で
そして時間差で畳み掛けるように襲い掛かる
最初に四人一組で襲い掛かってきたので、一人をかわしその影から攻撃してこようとしたヤツを先に斬りり捨てる。
「ちいっ!」
最初の男は慌てて振り向いたがすでにそこに私はおらず、二人目を斬った所でこっちに向かってくる。
三人目を向かってくる男に向かって蹴りつけ二人が纏めて倒れ込んだ所で。
「
剣技スキルによる真空の斬撃を飛ばし二人を始末する。
新たに現れた四人が襲い掛かると同時に後方にいた
「「「
三人の術士による
しかしそこに私はいないわ。
「ぎゃっ!?」 「ぐわあ!」 「おぐう」
「やろう! いつの間に背後に!?」
『なあおい。なんでこんなメンドイことやってんだ? さっさとやっちまえよ!』
耳障りな声でうるさくわめきたてるカリヴァーンにうんざりする。
もう少し対人戦をやっておきたかったのだけどね。
とはいえこのレベル相手にしても無駄か。
「カリヴァーン。
『お! やる気になったか!! よっしゃ
私の声に反応してカリヴァーンがその姿を変える。
刀身が真ん中から開く。そしてそこに赤い
『
残りの数は……十四人。
「絶剣技・
呟くような私の声にカリヴァーンの刀身が霧のようにかすれて消える。
そして……
私の知覚した十四人の上下から水晶のような赤く半透明な
彼らは断末魔の叫びも上げれぬままその身体は赤い水晶へと変わり、カリヴァーンに吸い込まれる。
『げっぷ……あ、いかんあの駄犬みたいなげっぷしちまったい!』
静かになった森の中、馬鹿なことを言うカリヴァーンをストレージに仕舞う。
さて残るはダイスと取り巻きが数人ね。
終わりにしましょうか。
私は
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